みかん小説
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"欠陥品と呼ばれた歌姫" 第2話

と夫へ押しつけ、友から誘いがあれば授乳のさえ気にせずかけることがあった。私のマンションへ突然良を連れてきて、「2だけ見てて」と言い残したまま、翌朝まで戻ってこなかったことも度ではない。

最初のうち、私は恵を何度も叱った。「遊びたい気持ちは分かるけど、良はあなたのおもちゃじゃない」と言うと、妹は「分かってるって」と面倒そうに返すだけだった。次の週にはまた同じことを繰り返すので、やがて私は恵を変えようとするより、預けられた良がして過ごせるようにする方へ気持ちを切り替えた。

良は幼い頃、言葉のない子だった。3歳を過ぎてもい文章はほとんど話さず、らないでは名を聞かれても私や也のろに隠れてしまう。けれど絵本を読めば好きなページで目を輝かせたし、きりなら「ねこ」「おつきさま」「もういっかい」とさな声で教えてくれたから、私は慎な性格なのだろうとっていた。

恵だけは、それを「おかしい」と決めつけた。「この子、何でこんなにしゃべらないの? 普通もっとママ、ママってうるさいでしょ」と、良本で平気で言ったこともある。私が「子どものでそんな言い方しないで」と注すると、恵は唇を尖らせ、「子ども産んだことないに育児語られたくない」

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と返した。

その言葉には、さすがに傷ついた。けれど隣に良がいたから、私は反論しなかった。同士のの張りいで、この子に「自分が原因で喧嘩している」とじさせる方が嫌だった。

方、也はしずつ変わっていった。恵と結婚した頃は、革のジャケットを着て夜までライブハウスへ入りする、私からすれば頼りない若者だった。それでも良がまれてからは、音楽だけでは活できないと認め、昼事現や配送倉庫で働き、夜はバンドの練習へくという活を続けた。

ところが、良が1歳を過ぎた頃にバンドが解散した。緒に活してきたメンバーの元へ戻り、もうが就職を決めたことで、事実続けられなくなったのだ。也はベースを売ろうか迷った末に本だけ残し、雇いと警備の仕事を掛け持ちするようになった。

恵は、その姿を評価するどころか軽蔑した。「メジャーデビューするかもしれないとったから結婚したのに、何で私が作業員の妻やらなきゃいけないの」と言い、也が疲れて帰ってきても事を用することさえほとんどなかった。良の保育園の送り迎えも、也か私ができるは自然と私たちが担当するようになった。

ある、私は恵のアパートを訪ねた蔵庫のがほとんど空なのに気づいた。

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ビールとコンビニのサラダしかなく、良用の牛乳さえ切れていたので、くのスーパーへ買いしにった。戻ってくると、也がに座ったまま良を膝へ乗せ、絵本を読んでいた。

「桃さん、すみません」

私を見るなり、也は申し訳なさそうにげた。「最、何から何まで頼ってばっかりですね」と言うので、私は買い物袋を置きながら、「謝る暇があるなら、の朝ご飯くらい作って」と返した。し厳しく言ったつもりだったが、也はなぜか笑い、「解です」とがった。

恵は、その夜も帰ってこなかった。

良を私のマンションへ連れて帰り、緒に呂へ入った。髪を洗ってやり、ドライヤーを当てていると、良は鏡越しに私を見ながら「桃ちゃん、あったかい」と言った。そのさな声を聞いた、私は胸の奥が締めつけられるような気持ちになった。

母親がそばにいることを、この子はどんなものだとっているのだろう。抱きしめてもらうこと、今あったことを聞いてもらうこと、具が悪ければ配してもらうこと――本来なら何の特別さもないはずのものを、良はすでに諦め始めているように見えた。

良が4歳になった頃、恵はしい男性の話をするようになった。羽振りのいいイベント会社の関係者らしく、へ連れていってもらったことやホテルの写真を見せながら、「やっぱり男ってだけじゃ駄目だよね」

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