みかん小説
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"35万円の空冷蔵庫" 第6話

「ちょ、待てよ!」

「来なければ、達也を通して正式にく」

「兄貴!」

私は静かに言った。

「浩司。佐藤掃除を始めよう」

そのまま通話を切った。

になって分かったことだが、その頃、浩司のではまさに宴会の準備がんでいた。

美穂は卓に並べられたカニや肉をスマートフォンで撮していたという。

『優しいお義母さんがお正に超材をプレゼントしてくれました』

そんな文章まで添えてSNSへ載せた。

母は嫌よく笑った。

「美穂さんがんでくれてよかったわ。やっぱりお正は華やかじゃなきゃね」

「本当ですよね。弓さんってだし、何考えてるか分からないから」

「そうなのよ。親がいないからかしらね。私がいくら佐藤のやり方を教えても、全然につかないの」

2は弓が空っぽの蔵庫ので泣いたことなど、度も考えなかった。

そして午3頃。

浩司が顔面蒼で帰宅した。

には、私が渡した封筒が握られている。

「お帰り。お受け取ってきた?」

母が聞く。

浩司は答えず、テーブルのの料理を見て叫んだ。

「片づけろ!」

美穂が驚いた。

「何よ、急に」

「いいから片づけろ! 今すぐ兄貴のくぞ!」

「ええ? カニこれからべるのに」

「それどころじゃねえんだよ!」

母が眉をひそめた。

「私はかないわよ。弓さんに親戚の相をさせるって言ってあるんだから」

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浩司は必を回したらしい。

そして母へ嘘をついた。

「兄貴がってるんだ。今来なかったら来から仕送りを止めるって。それに親父の遺産の残りも渡さないって」

母の顔が変わった。

「何ですって?」

それだけで母はいた。

「健のやつ、親をで脅すなんて。男として許せないわ」

「だから緒に来てくれ」

「分かった。私が言ってやる」

美穂は面倒そうにがった。

「私、何もしませんからね」

3へ向かって発した。

その頃、私のにはすでに別のが来ていた。

5

インターホンが鳴る。

叔父だった。

黒いコートを脱ぐと、内ポケットから古い茶封筒を取りした。

「健。これを渡すが来たようだな」

私は両で受け取った。

「父さんが?」

「ああ。くなるに預かった」

叔父は静かに続けた。

「正雄兄さんは、子さんが浩司を甘やかしていることをずっと配していた。自分がんだ、財産を巡って必ず問題が起きるとな」

封筒のには父の帳。

財産の覧。

そして正式に作成された遺言に関する類が入っていた。

私はそので数ページを読んだ。

で、言葉がなくなった。

父は全部っていた。

母が弓をどう扱っていたのか。

浩司へを流そうとしていたこと。

そして、弓が黙って父の世話をしていたことまで。

叔父が私の肩を叩いた。

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「今は引くなよ」

「はい」

「弓ちゃんのためにもな」

5を過ぎると、親戚たちがしずつ集まった。

叔父から事を聞いている者もく、空の卓を見ても誰文句を言わなかった。

550分。

全員がへ入った。

襖を閉める。

6

インターホンが鳴った。

モニターには、りに顔を歪めた母。

嫌そうな美穂。

そのろで青ざめている浩司が映っていた。

私はがった。

20続いた弓の苦しみに、ようやく終止符を打つが来た。

玄関の扉をけると、母は挨拶もせずに入ってきた。

靴を脱ぐ作さえ苛っているように乱暴だった。

「健、あんたどういうつもりなの?」

美穂もから入ってくる。

浩司だけは何も言わず、顔を伏せていた。

リビングへ通した直、母はソファへ腰をろし、弓を睨んだ。

「健。こんな役たずの嫁、さっさと婚してから追いしなさい」

弓の肩が震えた。

私はた。

「何を言ってる?」

「聞こえなかったの? このは将来、浩司に譲りなさいって言ってるのよ」

「なぜ俺のを浩司に?」

「浩司のところには子供が2いるでしょう。あんたたちにはいないんだから、佐藤の跡を継ぐのは浩司の子供たちよ」

その言葉に、弓の顔が青ざめた。

子供ができなかったこと。

それは弓が、自分を責め続けてきたことだった。

母はっている。

っていて、最も傷つく所を選んで刺した。

美穂も空っぽのテーブルを見ながらで笑った。

「本当に何にもないですね。

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