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"35万円の空冷蔵庫" 第11話

「来末までに退してもらう」

母の膝が揺れた。

「私はどこにめばいいの?」

「自分で探せ」

「親を追いすの?」

を失わせたのは俺じゃない」

私は母を見た。

「父さんの財産を隠し、浩司へ流し、俺たちからを取り続けた結果だ」

「でも私には1000万円が……」

言いかけて止まる。

「その座も財産理の対象になる」

母の顔から完全に血の気が消えた。

「そんな……」

「弁護士を通して続きをめる」

「健、お願い」

母が初めて私の名い声で呼んだ。

「それだけはやめて」

私は何も答えなかった。

その、浩司が突然母へびついた。

「母さん! 1000万あるなら俺にくれ!」

「やめなさい!」

「800万返せばから逃げられるんだ!」

「嫌よ!」

母はバッグを抱きしめる。

「これは私の老のおなの!」

「俺が殺されたらどうするんだ!」

らないわよ!」

2でバッグを奪いった。

親戚の誰も止めようとしない。

叔父がとうとう鳴った。

「いい加減にしろ!」

母と浩司のきが止まった。

叔父は玄関を指さした。

「見苦しい。正雄兄さんのをこれ以汚すな」

母が震える。

「叔父さん……」

「今限りだ」

叔父の声はたかった。

「親戚付きいも終わりにする」

親戚たちも次々と頷いた。

「私も、もう無理です」

「弓さんにあんなことをして、今まで通りなんてできない」

度と親戚の集まりを仕切らないで」

母にとって、その言葉は何よりかった。

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見栄。

体。

「本の姑」という

その全てが消えた。

母はそのに崩れ落ちた。

「お願い……」

そして信じられないことに、弓の元へってきた。

「弓さん、お願い。健を止めて」

弓はかなかった。

を売るなんてやめるように言って。座も取らないでってお願いして」

母はへ額をつけた。

「私が悪かったわ。全部謝るから」

私は弓のようとした。

だが弓が私の腕をそっと止めた。

そして自分からた。

20、母のではいつもさくなっていた妻が。

今はまっすぐっていた。

「お義母さん」

弓の声は静かだった。

鳴りもしない。

泣きもしない。

ただ、ひどく澄んでいた。

母が顔をげる。

「弓さん……」

「今、私がかわいそうだから謝っているんですか?」

「もちろんよ!」

「違いますよね」

母の表が固まった。

を失うのが怖いから。おを取られるのが怖いから。だから私に謝っているだけですよね」

「そんなこと……」

「昨

弓は続けた。

「私が何もかけて用した材を全部持っていった、お義母さん笑っていました」

母は答えない。

「私は止めました。のために用したものだからって」

弓のがわずかに震える。

「でもお義母さんは『カップ麺でもべてなさい』って言いました」

母が目をそらした。

「私は両親をくしました」

親戚たちも静かに弓を見ている。

「だから健さんと結婚して、佐藤族になれたことが、本当に嬉しかったんです」

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弓の目に涙が浮かんだ。

「お義母さんに嫌を言われても、朝から晩まで働かされても、私がすれば族でいられるとっていました」

私は唇を噛んだ。

「いつか度くらい、『ありがとう』って言ってもらえるかもしれないって」

母は何も言えない。

「今回の35万円も同じです」

弓はゆっくり息を吐いた。

「私のパート代をしずつ貯めたおでした。自分のを買うのをやめて、旅くのもして」

弓の涙が落ちた。

「それでも、みなさんがんでくれればいいとったんです」

叔母が目を押さえた。

「お義母さんが『弓さん、今は頑張ったわね』って、度でも言ってくれたらそれでよかった」

母の顔が歪む。

「でも、空っぽの蔵庫を見た、分かりました」

弓の声はもう震えていなかった。

「お義母さんは、私のことを同じだとっていなかったんですね」

「違うわ!」

「違いません」

弓がはっきり言った。

「だから、もう終わりにします」

母が目を見く。

「35万円」

弓は続けた。

「あのおは、私が佐藤男の嫁として払った最のおです」

母は息を呑んだ。

切れだとってください」

が静まり返った。

「私はもう、お義母さんのお世話をしません」

「弓さん!」

「毎朝7にもきません。掃除もしません。洗濯もしません。病院の付き添いもしません」

母の顔が歪む。

「健さんが決めたことにも反対しません」

「そんな……」

「もうあなたを族だとうのをやめます」

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