"雪下の赤いマフラー" 第8話
ハルトは自分が養子であることをっていた。
育ての両親は幼い頃から隠していなかった。
ただ、実の両親については何もらなかった。
くの辺のカフェへ移った。
佐藤はロケットを渡した。
「これは君のものです」
ハルトがく。
「赤ちゃん……」
「君です」
「誰が持っていたんですか?」
「君のお母さんの親友です」
ハルトのが止まった。
「母をってるんですか?」
「17方だった女性を見つけました」
佐藤は事件を最初から説した。
19981112。
美咲。
。
彩。
田浩。
妊娠。
。
の。
逃げた美咲と彩。
の。
そして199965。
「君はそこでまれました」
ハルトは黙っていた。
「お母さんは、産にくなりました」
顔がくなる。
「じゃあ……母さんは僕を捨てたんじゃない?」
佐藤はすぐ答えた。
「違います」
彩のを渡す。
ハルトは震えるで読み始めた。
『太陽のような』
『暗のでまれた唯の』
涙が落ちた。
「名も……母さんが?」
「そうです」
「ずっとってました」
ハルトはを胸へ押しつけた。
「僕はいらない子だったから、養子にされたんだって」
「違う」
佐藤は静かに言った。
「君をかすためです」
い沈黙。
波の音だけが聞こえる。
やがてハルトは尋ねた。
「父親は?」
佐藤は度息をえた。
「田浩。お母さんの代の教師です」
ハルトの表がくなった。
「さんがんだ、そこにいた?」
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「はい」
「今は?」
「拘束されています」
ハルトは俯いた。
「つまり僕は、そんなの子供なんですね」
「君は誰かの罪ではない」
佐藤はく言った。
「お母さんは君を希望だとっていました」
ハルトはしばらく考えた。
「美咲さんに会いたいです」
「今はシスターと名乗っています」
「会えますか?」
「17ほとんど話していません」
「声は必ありません」
ハルトは顔をげた。
「母をっていたの目を見たい」
翌、2はへ向かった。
のでハルトは何度も彩のを読んだ。
「母さんって、どんなでした?」
「直接はりません」
佐藤は答えた。
「でも調べた記録では、繊細で、を信じやすく、友を切にする女だった」
「僕は似ていますか?」
「目元は」
ハルトはし笑った。
旭川へ到着すると、初めて経験する寒さに驚いた。
「こんな寒いところで、母さんは育ったんですね」
の町を見ながら言った。
自分には何の関係もないとっていたの町が、その瞬から、自分の始まりの所へ変わった。
翌朝。
佐藤とハルトはの修院へ向かった。
院は玄関で待っていた。
ハルトを見るなり、目に涙を浮かべた。
「あなた、お母さんの目をしている」
庭へ案内される。
美咲は子供たちを見守っていた。
院が呼ぶ。
「シスター」
美咲が振り返った。
ハルトを見た瞬、きが止まった。
ゆっくりつ。
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づく。
ハルトも何も言えなかった。
数歩の距。
「僕……ハルトです」
美咲の目から涙が溢れた。
震えるで、ハルトの頬へ触れた。
顔の輪郭を確かめるように指をかす。
そして17ほとんど言葉を発してこなかった唇から、さな声が漏れた。
「……彩」
院が息を呑んだ。
ハルトは泣きながら美咲を抱きしめた。
「母さんのことを教えてください」
美咲の腕がゆっくりハルトの背へ回った。
「全部……話す」
掠れた声だった。
それから3。
美咲はしずつ話した。
彩は本を読むことが好きだった。
緊張すると髪を触った。
笑うは目を細めた。
産の。
い苦しんだ。
それでも赤ん坊の泣き声が聞こえた瞬、彩は笑った。
「見て」
美咲へ言った。
「こんなにさいのに、きてる」
赤ん坊を腕に抱いた。
「ハルトにする」
「どうして?」
「太陽みたいなになってほしい」
「この子だけは、暗いところへ閉じ込めたくない」
ハルトは何度も涙を拭った。
「母さん、僕を抱いたんですね」
「ずっと」
美咲は頷いた。
「最までしたくなかった」
しかし美咲の体調は、その数のに急激に悪化した。
医師が診察した。
体はかなりっていた。
ハルトは枕元かられなかった。
「沖縄へ来ませんか」
ある夜、言った。
「かいですよ。もあります。僕の族にも会ってほしい」
美咲は微笑んだ。
「素敵ね」
「元気になったら」
「ハルト」
「はい」
「私はもう、分なの」
ハルトの目が赤くなった。
「やっと会えたのに」
「彩との約束を守れた」
美咲はを伸ばした。
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