みかん小説
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"灯油札の密告" 第7話

、斎藤とよく似た男が、その札を貴で使った。

しかも幣には、煤のような黒い汚れと灯油の匂いが残っている。

野は封筒を見つめた。

「犯が持ちした物ので、事だから燃やせなかったんだ」

佐々を理解し、黙って頷いた。

の痕跡はで消せるとった。

も焼ける。

も洗える。

具も磨ける。

けれど盗んだだけは、捨てられなかった。

斎藤が犯なら。

彼自が欲しがったそのが、警察を彼のところまで連れていくことになる。

斎藤が再び警察署へ呼ばれたのは、その翌の午だった。まだ逮捕ではなく参考としての聴取だったため、彼は以と同じのジャンパーを着て、自分から子へ座った。事件ずっと眠れていないと訴え、の遺族が配だという話を繰り返したが、野はしばらく事件の核へ触れなかった。

「最、まとまった借を返しましたね」

話題を変えられた瞬、斎藤のが膝ので止まった。

いに借りました」

「誰です?」

「昔の仕事仲ですよ」

「名を教えてください」

斎藤はしばらく考え、「本に迷惑がかかるから」と答えを避けた。野は追及せず、貴の防犯カメラから切りした写真を机の央へ置いた。

「これはあなたですか」

斎藤の目が瞬写真へ落ちた。

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「違います」

主はあなたによく似ていると言っています」

「似たなんていくらでもいるでしょう」

野は次に、23枚の万円札の写真を置いた。

「このの番号帯が、さんへ支払われた補償部と致しました」

斎藤は黙った。首筋に浮いた汗をで拭い、数秒には先ほどまでのしげな表を消していた。

に借りたんですよ」

「いくら?」

「100万円くらいです」

「いつ?」

「事件のです。親しい柄だから借用なんてありません」

を変えた。最初はから借りたと言い、そのから借りたと言い直したことを野は指摘しなかった。追い詰めてそので逮捕するより、まだけるとわせた方がいいと考えたからだ。

「分かりました。今は帰って結構です」

斎藤はらかにそうな顔をしたが、すぐ子からった。

「だから言ったでしょう。とは仲が良かったんです」

警察署をた斎藤のろには、すぐ張り込み班がついた。

そのの夜11過ぎ、斎藤は自宅裏から黒いゴミ袋を持ってた。の残る庭を横切り、かつて自転修理として使っていた古い作業の裏へくと、周囲を何度も確認してから袋のをつけた。

しばらく待っていた刑事が懐灯を点けた。

「何を燃やしているんです?」

斎藤は驚いて振り返り、慌ててシャベルでをかぶせた。

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「ただのゴミですよ。自分の敷で何をしようが勝でしょう」

袋の隙から、黒く汚れた軍と油の染みた布が見えていた。しかし令状なしで全体を捜すわけにはいかない。刑事たちはそのの状態を写真へ残し、野へ報告した。

翌朝、裁判所から捜索令状がた。

730分、複数の捜査員が斎藤宅と作業へ入った。斎藤は庭の端にち、「探せるものなら探してみろ。何もませんから」と妙に落ち着いた声で言った。妻と娘はまだ実から戻っておらず、には彼しかいなかった。

最初の、目った物はなかった。作業には古い自転部品やレンチ、チェーン、空気入れが量にあり、の現で使われた物と似ているだけでは証拠にならない。斎藤の表にはしずつ余裕が戻ってきた。

その、奥の棚から佐々の声ががった。

「課、これを見てください」

古い箱の底に、板をねた隠しスペースが作られていた。そこからてきたのは濃紺の作業用ジャンパーで、側だけを見るときれいに拭き取られていたものの、袖の内側と裾には黒い微粒子が残っていた。袋へ入れるため広げた瞬、布の奥から灯油に似た匂いが漂った。

さらに棚の奥から、現の勝を固定したものと同じ種類の業用釘が箱見つかった。

壁際には太さのい鉄鎖があり、作業台のからは属部分だけ自然に磨かれたハンマーも発見された。

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