"11年目のコロッケ" 第4話
巨額の横領。
自然な資移。
反社会勢力と関係する名義への送。
その証拠を警察へ持っていこうとしていた。
だから父と京子は、母を止めた。
「全部終わりだとったか?」
突然、父がく笑い始めた。
押さえ込まれていた体を震わせながら、気な笑い声を漏らした。
「11逃げ回って持ってきたのが、その帳1冊か」
父は刑事を睨んだ。
「仮に昔の横領が事実だったとしても、古い事件だ。しかも裕子の遺体はない。血のついたとレシートと帳だけで、俺が殺した証拠になるのか?」
黒田刑事の表が僅かに険しくなった。
現点で、警察が持っているもののくは状況証拠だった。
それを見て京子が息を吹き返した。
「そうよ! 体がないんだから裕子さんがんだなんて分からないじゃない!」
京子は私のまで来ると、顔を歪めた。
「それに、み咲。あなたが婚約破棄されたでしょう?」
私はゆっくり顔をげた。
「あれ、私がやったの」
京子は笑った。
「相のに『母親は会社のを盗んで男と逃げた犯罪者だ』って教えてあげたのよ」
胸の奥がえた。
「あなたがまともな会社へ就職できなかったのも、健さんが元でを回したから。あなたみたいな娘がにけないように、ずっと邪魔してたの」
父も笑った。
「おが20歳の、将来のためだと言ってサインさせた類を覚えているか?」
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忘れるはずがなかった。
何枚もの類を並べられ、内容を読ませてもらえないまま署名を求められた。
拒否すると、へ閉じ込めると言われた。
「実はあれな、会社の負債の連帯保証になる契約だ」
親族たちがざわめいた。
「俺が捕まって会社が潰れれば、その借はおにく」
父は勝ち誇った。
「数億だ。おのじゃ返せない」
親族の部は気に父側へ戻った。
「健が捕まったら俺たちの資はどうなる?」
「み咲、おが余計なことするからだ!」
「その田を連れてていけ!」
私は何も言わなかった。
田がくをげた。
「み咲ちゃん……すまない。私の力がりなかった」
父がを伸ばし、私のを押さえつけようとした。
「さっさと座しろ」
そのが触れる直、私は顔をげた。
そして11で初めて、父ので笑った。
「お父さん」
静かな声で呼んだ。
「あなた、本当に何も分かっていないんですね」
父のが空で止まった。
京子が私を睨んだ。
「何を負け惜しみ言ってるのよ。がおかしくなったんじゃない?」
私は返事をせず、スーツの内ポケットから名刺を1枚取りした。
それを畳のへ滑らせる。
「卒の事務員。確かに、あなたたちにはそう説していました」
父が名刺を拾った。
数秒、その目がきく見かれた。
「お……これは……」
そこには私の本当の肩が記されていた。
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弁護士、黒田み咲。
企業犯罪や正資の調査を扱う仕事に関わっていることもかれていた。
「偽物よ!」
京子が名刺を奪おうとした。
「こんなの印刷すれば誰でも作れる!」
「偽物かどうかは黒田刑事に聞けば分かります」
刑事へ目を向けると、彼は頷いた。
「み咲先は、今回の捜査に必な資料を警察へ提した弁護士です。健さんの会社についても、期にわたって調査されています」
親族たちが息を呑んだ。
父は名刺を握ったまま震えていた。
「そんな……おが弁護士?」
私は14歳からの活をいした。
母を失ってから、私はので邪魔者として扱われた。
何度も学活を妨げられ、父と京子から「おに勉なんか必ない」と言われた。へ閉じ込められていた期にも、私は僅かなかりので本を読んだ。
卒認定試験の勉をした。
その、支援を受けながら学へみ、司法試験を目指した。
「あなたたちが私に興を持たなかったからですよ」
私は父を見た。
「私がどこで何を勉していたかも、仕事が終わったに何をしていたかも、1度もろうとしなかった」
「そんな、どこに……」
父が呟いた。
「それもで分かります」
私は続けた。
「それから連帯保証の類ですが、私が何も考えず署名したとっていましたか?」
父の目が揺れた。
「署名をされたの会話は録音してあります。
あなたがへ閉じ込めると脅し、拒否できない状態でサインさせたことも記録しています」
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