みかん小説
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"赤身を笑った女の末路" 第11話

数秒の沈黙の、声がるくなった。

「本当に?」

「ええ」

「会ってくれるのか」

「由美から言いしたのよ」

正義は、の底から嬉しそうだった。

それからし話した、彼がぽつりと言った。

「実は今、子とは婚調なんだ」

「そう」

私はそれ以、詳しいことを聞かなかった。

浮気をしたことは許していない。

私と由美を傷つけた事実も変わらない。

けれど正義もまた、子と関わったことで部をきく狂わせたなのかもしれない。

子を相婚の話しいをしているなら、ずいぶん揉めているのだろう。

そう像すると、しだけ笑しくなった。

「無事に婚できたら、お祝いしてあげるわよ」

冗談めかして言うと、話の向こうで正義が瞬息をんだ。

それから、昔と変わらない困ったような声で答えた。

「頑張るよ」

私はその調を覚えていた。

緒に暮らしていた頃、照れたの正義はよくそんな話し方をした。

いろいろあった。

取り返せないこともある。

それでも15経って、こんな会話ができるようになったことが、しだけ嬉しかった。

しばらくして、由美は正義と事へった。

夜、玄関をけた娘は靴を脱ぐなり笑った。

「ママ、パパすっごい老けてた」

「そりゃあ、あのももう50歳でしょう」

「なんかもう、パパってじじゃなかった」

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「じゃあ何なの?」

由美し考えた。

「お父さん……いや、親父かな」

「失礼ね」

そう言いながら、由美は楽しそうだった。

15ぶりに父親と会うことを、内では配していた。

会って悔しないだろうか。

昔の傷がまたかないだろうか。

でもその表を見る限り、事は悪くなかったらしい。

「でもママはずっとママってじなんだよね」

「そりゃどうも」

蔵庫からお茶をしてやると、由美はソファに座った。

「それでね、パパから聞いたんだけど」

「何?」

「リオン君、たんだって」

私はを止めた。

「そう」

「彼女と緒に暮らしてるらしいよ」

「へえ」

あの寿司で言っていた通り、本当にたらしい。

由美はペットボトルのお茶をんだ。

「たぶん、その彼女が背押してくれたんじゃないかな」

「どうして?」

「だってさ」

由美は当然のように言った。

「彼女できて、将来結婚したいってっても、あの子おばさんに紹介したくないじゃん」

私は像した。

リオンが彼女を子に紹介する。

子は彼女の装を見る。

学歴を聞く。

職業を聞く。

両親の仕事を聞く。

それから、誰かと比較する。

「ああ……」

妙に納得してしまった。

「あり得るわね」

「でしょ?」

子はずっと、を比べてきてきた。

の頃は彼氏がいるかいないか。

卒業学か専か。

社会になれば勤務先。

結婚すれば夫の収入。

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子供がまれれば育児。

そして47歳になった今は、息子の職業や自分の勤務先。

はそれで自分が勝っているとえたのかもしれない。

でも、と比べることで得られる満く続かない。

を見つければになる。

だとった相を見つければする。

その繰り返しには終わりがない。

しかも、子が最に失ったのは、競争相ではなかった。

夫。

息子。

そして仕事。

全部、自分にかったものだった。

誰かに奪われたわけではない。

自分がにしてきた言葉と、取ってきた態度が、しずつざけていった。

15の私は、子を憎んでいた。

夫を奪ったことも。

妊娠したと嘘をついたことも。

幼い由美を傷つけたことも。

絶対に許せないとっていた。

今でも、やったことを許したわけではない。

けれど47歳になった今、もう彼女を憎み続ける気力はない。

私には私の活がある。

仕事がある。

そして何より、由美がいる。

ある休

リビングで雑誌を読んでいると、由美が突然言った。

「ねえママ。またお寿司べにこうよ」

私は顔をげた。

「いいわよ」

「こののところ」

「あそこ気に入ったの?」

「うん」

「じゃあ今度はママがご馳する」

由美の目が輝いた。

「回らないお寿司?」

「そこまで言ってない」

「社なのに」

「社だから何でもくとったら違いよ」

「じゃあ結局また赤?」

「赤

「かっぱ巻き?」

べる」

「卵?」

「もちろん」

由美は吹きした。

「回らないってもないじゃん」

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