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"墓前の偽息子" 第7話

文子には反論したいこともあった。しかし今ここで昔の言葉の正しさを争ってもがないと分かっていたため、黙って聞いた。

「誠だってそう! 休みも仕事、仕事で、どこにも連れてかない。私はずっとしてきたのよ!」

「だから母さんのを盗っていいのか?」

しくらいいいじゃない!」

子が反射に叫んだ。

その言葉に、誠は完全に表を失った。

しくらい?」

「だって、お義母さんで何に使うのよ。だってあるし、だってある。私たちの方がこれからおが必でしょう!」

文子はようやく理解した。

子にとって、庫のの物は最初から「文子の財産」ではなかった。いずれ誠が相続するものだから、今し先に使っても同じだという覚だったのだろう。そこへ俊介との関係と借なり、罪悪より都のいい理屈の方がきくなってしまった。

「あなた」

文子は静かに言った。

「私がんだに誰が何を相続するかと、私がきている今、勝に持っていくことは全く別の話よ」

子は睨みつけた。

「また説教?」

「説教じゃないわ。確認しているだけ」

文子は夫の言葉をしていた。

「あなたは今、私が墓参りで留守なのをっていた。誠がにいないとっていた。誠の携帯を使って別のに息子のふりをさせ、暗証番号を聞きそうとした。

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ここまでっている?」

子は答えなかった。

「それから、俊介さんと緒に私のくつもりだった?」

俊介がいた。

「俺はそこまで——」

「黙って!」

子が振り返った。

の言い争いが始まった。

「あなたが『今なら絶対いない』って言ったんでしょう!」

「お庫の話をしたんだろ!」

話だって、あなたがやるって!」

「おが旦の携帯を渡したからだ!」

互いに責任を押し付け始めた姿を、誠は黙って見ていた。

自分の妻と、その妻が選んだ男。

まで誠は、子にも何か事があるのではないかとおうとしていた。しかしが自分を守るために相を切り捨てる姿を見ているうちに、その最の希望も消えていった。

誠が警察へ連絡しようとした子が突然台所へった。

文子は嫌な予を覚えた。

包丁差しから本の包丁を抜き取った子が、振り返った。

「来ないで!」

文子の臓がきく鳴った。

俊介は真っ先にろへがった。

それを見た子の目に、さらに絶望が広がった。

誠だけがゆっくり両げた。

子、置け」

づかないで!」

「誰もおに何もしない。だから包丁を置け」

「もう終わりなのよ! 全部!」

「終わらせるかどうかは、その包丁を置いてから考えろ」

誠はしずつ距を詰めた。

子のが震えた。

その瞬、俊介が玄関へ向かってった。

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子が反射にそちらを向いた。

誠はその隙を逃さなかった。

妻の首を掴み、刃先を自分たちからざける。激しく抵抗した子のから包丁が滑り落ち、きな音をてた。

文子はすぐにづき、包丁を拾った。

そして誰にも届かない棚のへ置いた。

連の来事が終わった、文子は自分のが震えていることに初めて気づいた。

怖くなかったわけではない。

ただ、怖いほど慌てないことを、何もかけて夫から教えられていただけだった。

俊介は玄関から逃げようとしたが、たところで誠に止められた。無理に取り押さえることはせず、のナンバーと男の姿を確認したうえで警察へ状況を説すると、まもなく警察官が到着した。文子と誠は話の経緯をつずつ話し、着信履歴や誠の携帯話、子と俊介が交わしていたやり取りなどを確認してもらった。

そのの調べで、が文子のへ入るための準備をしていたこともらかになった。俊介のからは具や袋、文子の所をいたメモが見つかり、子の携帯には庫について話しった履歴も残っていた。暗証番号を聞きせなければ、留守宅へ入って別の方法を試すことまで考えていた能性があるとして、警察は詳しく事を調べることになった。

文子は連の続きを終えた、自宅へ戻った。

へ入ると、貴志の遺がいつもの表でこちらを見ている。

文子は庫をけた。

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