"6秒の着信" 第6話
ただし没で音声ファイルのくは破損しており、復元できた最の録音も激しいノイズに覆われていた。
技術者は音声の周波数を分し、の声が含まれる帯域をしずつ抽した。最初に聞こえたのはアリンが「はい」と答えるい声で、その直、男性とわれるい声が続いた。何度処理しても半は壊れていたが、最初の数語だけは比較はっきり残っていた。
「そのまま来てください。彼も着きました」
それだけだった。
音声が完全に復旧できたのは約6秒で、そのにはデータ欠損による雑音しか残っていない。しかし捜査員にとってだったのは文章の内容だった。「彼も着きました」という表現は、話をかけた物がジフンとアリン双方の位置を把握していたことをする。
午319分、ジフンはのへ向かった。7分、アリンはへ向かい、それから約40分に2は再び同じ所へ現れた。そこには彼らのを把握し、双方へ違うを指示できる物がいた能性がてきた。
捜査チームは写真の撮所を特定する作業を始めた。背景の岩の輪郭、葉したの位置、の方向を現と比較した結果、撮点は公式からへしれた所にあるさな平坦と推定された。通常の観客がわざわざ入る所ではないものの、入さえっていれば徒歩数分で到達できる。
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その所から携帯話が発見された排溝までは150メートルほどしかれていなかった。周囲を再び掘り返し、属探まで使って調べたが、3のとで表はきく変わっており、事件当の痕跡は見つからなかった。写真を撮った物がっていた位置を特定できても、その物の名までは分からなかった。
そこで捜査員たちは別の方向から事件を見直した。
なぜジフンたちは、通常の登かられた所へったのか。
誰かと偶然りっただけなら、わざわざ別々のから同じ所へ集する理由がない。しかもアリンへかかってきた話の言葉から考えれば、第者はジフンが先に到着していることをっていた。これはそので始まった偶然の会話ではなく、事に何らかの約束があった能性を示していた。
捜査員のが、3に押収した証拠品の再確認を提案したのは、そのためだった。
202210、警察署の保管庫からジフンのに残されていた物品がすべて運びされた。旅バッグ、非常用品、品、内に落ちていたレシートまで、今度は「当ではないと判断されたもの」をに確認された。最に黒い登用バックパックを調べていた刑事が、底の部分を押した、内張りの部だけが自然にいことに気づいた。
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指で探ると、縫い目の裏側にさなジッパーがあった。
その隠しポケットから、つ折りにされた1枚のがてきた。
はA4用を半分ほどに切ったもので、の形と数本のが簡単な線で描かれていた。正式な登図を写したものには見えず、誰かの説を聞きながら急いでメモしたような粗いスケッチだった。公園入、、分岐という文字のほか、公式図にはしない側へ伸びる赤い線がかれていた。
その線の終点にはさな×印があった。さらにの部には、同じ赤いボールペンで2の文章が残されている。文字はし乱れており、途までいて止めたようにも見えた。
「ここへけばある」
「1725分よりに渡るな」
跡鑑定では、ジフン本がいた能性が極めていと判断された。会社で使用していたメモや族へ残したきの文章と比較すると、文字の傾きや払い方に共通点がかった。使用されたボールペンのインクについても、失踪期と矛盾するものではなかった。
しかしジフンが自分で図を調べていたのかという点については疑問が残った。パソコンや過の携帯話の検索履歴を再調査したものの、公式図にないや秘密の登コースについて調べた記録が見つからなかったからである。
族や友も、ジフンがそのような所へきたがっていたという話を聞いていなかった。
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