"トウモロコシ畑に消えた母" 第7話
「500万円は止め料ですか?」
「退職の払いだと言われました」
「15、なぜ黙っていた」
鈴は俯いた。
「怖かったんです。族へ何をされるか分からなかった」
代わりの証言により、健のアリバイは消えた。ただし鈴は犯現を見ておらず、殺害そのものを証する証ではなかった。
捜査班が次に探したのは、仲介の佐々だった。組織の摘発に姿を消し、国内にいるかどうかも分からない。
そんな、松田のもとへ1本のカセットテープが届けられた。差は、紀子の従妹・美智子だった。
「紀子がくなるしに送ってきたものです。聞くのが怖くて、ずっと保管していました」
テープには、健と紀子が自宅で交わした会話が録音されていた。
初めのうちは、紀子が母の帳について尋ねる声が聞こえる。
「お母さんは、あなたの借と薬のことをっていた」
健は静かに答えた。
「またその話か。君は今、正常に判断できていない」
「農協の庫に証拠を入れたっていてあった」
「妄だよ。お母さんの妄を、君が引き継いでいるんだ」
「庫は空だった。あなたが持っていったの?」
数秒の沈黙の、健の声が変わった。
「紀子。君は誰のおかげで活できているとってる?」
「答えて」
「俺がいなければ、君はとっくに壊れていた。母親を1にしてなせた罪悪で、まともにきられないなんだよ」
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紀子の泣き声が聞こえた。
「お母さんを殺したのは、私じゃない」
「君が放っておいたからんだ。俺は君を守るために、全部片づけてきたんだ」
「何を片づけたの?」
そこで健は黙った。
やがてい声で言った。
「聞かない方がいい。君まで、お母さんと同じ違いをすることになる」
録音はそこで途切れていた。
直接の自ではない。しかし、芳子のについて健が何かを隠していたこと、妻へ期にわたり罪悪を植えつけていたことを示すな資料だった。
美智子は、紀子がくなるに話した内容も証言した。
「紀子は、自分が毎おかしくなっていくと言っていました。健さんから薬を渡され、んだの記憶がなくなることもあったそうです」
紀子のに保された試料を調べ直すと、処方されていた薬とは別に、芳子へ使われたものと同系列の鎮静成分が検された。
健が図に妻へ薬を与え、判断力を奪っていた能性がまった。
紀子のについて、たな刑事責任を問えるかどうかは慎な検討が必だった。けれど、健が妻を守ったのではなく、母親のへづけないよう支配していた事実はらかになりつつあった。
佐々の方も、わぬところから判した。
の取引座を調べると、健が管理するダミー会社から、フィリピンにむ本名義の座へ毎送されていた。
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受取は佐々だった。
現当局の協力で保護された佐々は、健が自分を消そうとしていると恐れ、取引の音声データを提した。
事件の2、健がこう話す声が残っていた。
「眠らせるだけでいい。に残るものは全部処分する。朝には、誰も内を疑わない形にする」
佐々が尋ねた。
「相は誰だ」
「族だよ。だから厄介なんだ」
15にわたって散らばっていた証拠が、ついに1つの線へつながった。
再捜査のきを察した健は、所していた産と株式を急いで売却し始めた。会社のを複数の座へ移し、パナマ経由で米へ逃れる準備をめた。
捜査班は逮捕状と捜索令状を請求した。
根拠となったのは、再鑑定された薬物成分、注射器部品に残ったDNAと、鈴による代わりの証言、佐々の取引記録と音声、そして事件直に交わされた芳子と健の会話をる関係者の証言だった。
令状が発付されたの朝、捜査員は健の自宅と会社へ同に入った。
自宅の斎では、壁の裏に作られた隠し収納から、複数の携帯話、座の資料、未使用の注射器が見つかった。注射器は15の部品と同じメーカーの製品だった。
さらに、耐庫のから芳子のに関する契約と、本が保管していたはずの帳の部が発見された。
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