"手書きの時刻表" 第6話
やがて、静かに笑った。
「それでいい。わしと同じものを作る必はない」
「らないんですか?」
「駅員が変われば、やり方も変わる。事なのは、ノートを残すことじゃない」
田は待にいるフミへ目を向けた。
「あのが病院へたどり着けることだ」
は頷いた。
そのから2は、翌のに向けたしい利用者案内を作り始めた。
正式な印刷刻表をにしながら、川駅から病院、、学、役へ向かう際の乗り換え例を加える。文字のさな刻表を読めない老のため、きな数字でいたカードも用した。
田は利用者の活をり、は報を理するのが得だった。
世代も考え方も違う2の仕事が、初めて1つの形になった。
ところが末、田は事務で胸を押さえ、子へ座り込んだ。
「田さん!」
が駆け寄ると、田は丈夫だとを振った。顔は悪く、額にはたい汗が滲んでいた。
診療所で検査を受けた結果、臓がっていると分かった。医師からは、かきや勤務を避けるよう言われた。
「来3で定でしょう。しく休まれてはどうですか」
駅が勧めた。
しかし田は首を縦に振らなかった。
「が終わるまでは働かせてください。君に、川のを最まで見せておきたいんです」
は反対した。
自分の教育のために、田が体を危険にさらす必はない。
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だが田は、だけを配しているのではなかった。
毎になると、川駅には列の遅れや運休によって取り残されるがる。田は、最のを見届けると決めていた。
「無理はしないと約束してください」
は何度もを押した。
「かきも荷物運びも、全部私がやります」
「ああ、約束する」
田は答えた。
しかし、そのの川を襲ったは、2の予をはるかに超えるものだった。
昭46120、川町では夜けから激しいがり始めた。
午5の点で積は50センチを超え、ホームの端が見えなくなっている。は始発に勤し、駅員と保線作業員に加わって除を始めた。
田もスコップを持とうとしたが、が取りげた。
「約束したでしょう。田さんは運報の確認をしてください」
「しくらいならける」
「駄目です。倒れたら、そちらの方が仕事を増やします」
田は満そうだったが、事務へ戻った。
午7を過ぎると、本線で倒が発した。り列は央駅でし、り列も途駅からけなくなった。
支局から届く報は断片で、復旧刻は未定だった。
待には、通学途の学や病院へ向かうが集まり始めた。へ話のない者もく、族へ状況をらせることができない。
は黒板へ「運転見わせ」
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といた。
正確な報だった。
しかし、それだけでは利用者が次に何をすればよいか分からない。
田はきの刻表と利用者名簿をいた。
「今は、田さんの検査だ」
待を見ると、フミが子へ座っていた。胸元を押さえ、そうにを見ている。
「病院へ話します」
はすぐに受話器を取った。
話は混みっていたが、何度かかけ直すとつながった。検査は翌週へ変更できると確認し、フミへ伝える。
「今は帰って丈夫です。病院には私から連絡しました」
フミはしたものの、駅から自宅までのもで埋もれている。
は町役へ話し、除が通る刻を確認した。所へ戻る乗客を集め、役ので送ってもらえるよう調する。
田が静かに頷いた。
「次は、川兄妹だ」
正と由紀の学は臨休になったが、2の父親はすでに仕事へており、母親も祖母の病で町にいる。へ戻っても、用の油を運べない能性があった。
は駅堂の主へ頼み、族が戻るまで2を休ませてもらうことにした。
1つ解決すれば、別の問題が起きる。
午になると、待には央駅から歩いてきた乗客まで加わった。炭ストーブだけではまりきらず、窓の内側がく曇った。
倉庫の毛布と乾パンを配り、堂から鍋の噌汁を届けてもらう。
は利用者の名とき先をへき、族へ連絡できる者から順に話した。
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