みかん小説
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"手書きの時刻表" 第11話

利用者数の減により、窓の営業くなり、駅員がになるも増えた。

は駅になったも、田から学んだ考えを若い職員へ伝えた。

ただし、きのノートを作れとは言わなかった。

刻表は正確に覚えなさい。だが、数字を伝えたら仕事が終わりだとってはいけない」

職員へ、そう話した。

「その列へ乗るが、なぜそのりたいのか。できる範囲で考えてみなさい」

便利な械は、くの違いを減らした。

本部で括された報により、田代よりく、正確に運状況をることができる。乗客も駅員へ尋ねなくても、自分で刻を確かめられるようになった。

それは悪い変化ではない。

も、械を否定していたのではなかった。

しい仕組みので、数字に表れない1を忘れないこと。効率をめる、そので帰れなくなるがいないか確かめること。

彼が守ろうとしたのは、きという方法ではなく、その姿勢だった。

平成に入り、川駅が無化されることになったは保管庫から最のノートを取りした。

褪せ、ページには田の鉛の跡が残っている。

田さん 病院〉

さん 

〈川君 就職試験〉

君 初めての

つひとつの名を読みながら、川駅で過ごしたした。

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は、未来の誰かに読ませるために記録したのではない。その、その所で困っているを忘れないためにいただけだった。

だからは、ノートを美談として展示することはしなかった。

記された々や遺族の同を得た部のページだけを複製し、町の資料館へ寄贈した。原本は個報を守るため、田族へ返した。

資料館へ展示された複製の横には、い説文だけが添えられた。

川駅員・田が使用した業務ノート。列刻とともに、利用者の通院、学などの予定が記されている〉

ある、展示を見たが母親へ尋ねた。

「どうして駅員さんが、こんなことまでっていたの?」

母親はし考えて答えた。

「昔は今より便だったから、を助けないと困ることがかったのかもしれないね」

くにいたは、その言葉を聞いていた。

便だったから助けった。それも違いではない。

だが、便利になればを覚えなくてよいわけではない。械が正しい刻を教えてくれても、誰かのに気づき、声をかけるのはにしかできない。

は資料館をた。

では、の列川駅へ向かってあいをっていた。

正確な刻に発し、正確な刻に到着する。その内には、病院へ、仕事へ向かう族のもとへ帰るが乗っている。

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が最まで作り続けたきの刻表は、鉄の過を惜しむためのものではなかった。

そこにきる々の予定を覚え、誰も置きりにしないための具だった。

は、数字として残る。

けれど、その列を待った理由や、到着を信じてホームにったいは、誰かが覚えていなければ消えてしまう。

は、駅員としてそれを覚え続けた。

そしては、その仕事をノートではなく、を見る姿勢として受け継いだ。

代が変わり、きの刻表が役目を終えたも、その考えだけは川駅に残った。

を運ぶ鉄の先には、必ず誰かの暮らしがある。

が34冊ずつき残したのは、列の記録ではない。

さな駅をき交った々が、それぞれの所へたどり着こうとした、の記録だった。

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