"「名前を書くな」公害病の申請を止めた父と、娘の「息がしたいだけ」" 第8話
「こんなの取ってあったの?」
美紀が驚くと、芳は笑った。
「あなたがさい頃から病院ばっかりってたから、いつのにか捨てられなくなったのよ」
枚枚並べると。
美紀が自分で覚えていないほど。
何度も病院へっていたことが分かった。
5歳。
6歳。
8歳。
10歳。
だけではない。
にも。
にも。
記録があった。
美紀は初めて、自分の病気をので見た。
「こんなにってたんだ」
「覚えてないの?」
「全部は」
「お父さんが夜に連れてったのも何回もあるわよ」
美紀は何も言わなかった。
父を許していないとっていた期がある。
自分の病気を信じてくれない父。
会社の方が事な父。
そう決めつけていた。
けれど。
その父が。
何度も眠い目をこすり。
自転で診療所へ連れていっていた。
は。
つのだけでは。
簡単に決められない。
でも変化があった。
忠雄が提した設備点検の提案について、吉岡から呼ばれた。
「技術の連にも見せた」
忠雄は驚いた。
「どうでした」
「部、使うそうだ」
吉岡は素っ気なく答えた。
「ただし、何でもかんでも止められるわけじゃない。そこは現の判断だ」
「分かっています」
「それから井」
「はい」
「お、自分で会社を変えようとか考えるなよ」
忠雄は苦笑した。
「そんなそれたこと、考えてません」
「ならいい」
吉岡は類を閉じた。
「現のが異常を言わなくなったら、それこそ危ない。
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言うべきことは言え。ただし、根拠を持って言え」
それは褒め言葉ではなかった。
昇を約束する言葉でもない。
けれど。
忠雄はしだけ肩の力が抜けた。
野寺も変わり始めていた。
休憩。
「女と相談会ってきた」
と突然言った。
忠雄は顔をげた。
「息子の?」
「ああ。まだ申請するような段階じゃないって。でも病院はちゃんとけって言われた」
「そうか」
野寺は缶コーヒーをけた。
「俺、おに、余計なこと言ったな」
「何が」
「申請したら俺たちまで悪者になるとか」
忠雄は首を振った。
「俺も同じこと考えてた」
「でも難しいよな」
「ああ」
とも。
会社を嫌いになったわけではない。
族も守りたい。
仕事も必だ。
町の空気が悪いかもしれない。
もその部かもしれない。
でも。
から全てを止めればいい。
というほど。
簡単な話でもない。
野寺が言った。
「俺さ、最うんだ。を守るって、悪いところまで黙って守ることじゃないのかもしれんな」
忠雄はし笑った。
「おがそんなこと言うとはな」
「うるさい」
がづくにつれ。
美紀の発作はまた増えた。
申請をしたからといって。
病気は治らない。
そこだけは。
何つ変わらなかった。
ある夜。
美紀は布団ので激しく咳き込んだ。
以なら。
忠雄は襖の向こうから。
「窓閉めろ」
と言うだけのもあった。
しかし。
そのは。
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すぐに起きてきた。
「苦しいか」
美紀は頷いた。
忠雄は背へを当てた。
「先のところへこう」
「もう遅いよ」
「だから夜診療がある」
忠雄は着を取った。
美紀は父の背を見た。
「お父さん」
「何だ」
「ごめん」
「何が」
「、会社の方が私より事なんだってってた」
忠雄はしばらく黙った。
「俺がそう見えることしたんだろ」
それだけ言った。
そして。
また自転をした。
翌の、保全班のしい班が発表された。名を呼ばれたのは忠雄ではなく、同じ頃の別の社員だった。忠雄は朝礼でその発表を聞き、周囲と同じように拍した。
休憩に入ると、野寺がすぐに寄ってきた。
「おじゃなかったな」
「ああ」
「やっぱり申請のことじゃないのか」
忠雄は作業袋をした。
「分からん」
「でも候補だったんだろ」
「候補が何いたかもらん。俺よりあいつの方が向いてたのかもしれない」
野寺は納得していない顔をした。
忠雄自も。
まったく疑わなかったわけではない。
吉岡から。
申請の噂を聞かされた。
班になるなら。
いろいろ考えろと言われた。
その。
自分ではなく。
別の男が選ばれた。
つなげようとえば。
簡単につなげられる。
でも。
証拠はなかった。
忠雄は。
美紀の病気と。
設備異常のを。
勝につなげたくないとったのと同じように。
自分の昇と。
娘の申請も。
根拠なくつなげたくなかった。
数。
吉岡から呼ばれた。
忠雄は内、何を言われるのかとった。
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