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昭和39年、姉の「元気です」に隠された嘘

昭和39年、姉の「元気です」に隠された嘘

北國の便り 完結 22

「元気です。心配しないでください」 昭和39年、15歳で東京へ集団就職した姉は、毎月その一行だけを送ってきた。 手紙好きだった姉が、家族へ何も書かなくなった。 しかも葉書の消印は、北区、荒川区、足立区、墨田区と毎回違っていた。 「姉ちゃん、本当はどこにいるの?」 妹が尋ねても、返事はまた同じだった。 《ちゃんと同じ工場で働いています。元気です》 正月にも帰らず、工場の住所さえ知らせない姉。 やがて同じ町から東京へ出た少女が、体を壊して帰郷した。 「春ちゃん、何度か私の寮へ来たよ」 そう言って少女が差し出したのは、青森の両親へ送った一通の手紙だった。 差出人は少女の名前――しかし、そこに並んでいた文字は間違いなく姉の筆跡だった。

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