"昭和39年、姉の「元気です」に隠された嘘" 第6話
子は休みに入ると。
節子へ言った。
「京へきたい」
節子はすぐに反対した。
「何しに」
「姉ちゃん見に」
「せばいいでしょう」
「じゃ分かんない」
「学がで京なんて駄目だよ」
何度言われても。
子は引かなかった。
子から聞いた話。
違う消印。
のなら何枚でもく姉。
夜に泣いていたという話。
全部を。
自分の目で確かめたかった。
最には節子が折れた。
「と寮以、勝に歩き回らないこと。着いたらすぐ報か話を借りてらせること。汽賃は無駄にしないこと」
そう言いながら。
呂敷へ握り飯を包んだ。
子が初めて京へ着いたのは。
のだった。
野駅は。
像していた以に。
であふれていた。
改札の。
階段。
売。
どこを見ても。
らない顔ばかり。
。
15歳の子も。
ここへりた。
しかも。
族もいない。
もらない。
それをっただけで。
子は。
姉が急にいにえた。
教えられた所を頼りに。
何度もへを聞き。
へ着いた。
裏へ回ると。
の建物があり。
《女子寮》
とかれた札が見えた。
受付で。
「佐々子に会いたいです」
と告げた。
しばらくして。
階段をりてきた子は。
子を見るなり。
ち止まった。
「……何してるの」
「来た」
「見れば分かるよ!」
子は急いでづいてきた。
「母ちゃんってるの?」
「ってる」
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「で?」
「うん」
「汽賃いくらしたとってるの!」
会えたら抱きつくかもしれないとっていた。
なのに。
最初にられた。
子も腹がった。
「姉ちゃんの方が変な葉ばっかり送るからでしょ!」
子の顔が止まった。
「何が変なの」
「全部!」
そのの晩。
寮の面会を借りた。
子はよりし痩せていた。
髪は肩よりくなり。
指先には。
細かな傷があった。
でも。
笑うと。
昔の姉だった。
子は持ってきた葉を全部並べた。
子は枚ずつ見た。
「子さんに会った」
子の表が変わった。
「何聞いたの」
「みんなのいてるんでしょ」
子は黙った。
「荒川も、も、墨田も、板も。全部その帰りにしたんだよね」
「……うん」
「だったら何で自分のにはこれだけなの」
子は。
枚の葉を持ちげた。
《元気です。》
子は。
それをく見ていた。
「くことないから」
「嘘」
「本当だよ」
「姉ちゃん昔、叔母ちゃんに根のことだけで便箋枚いてたじゃん」
「昔の話でしょ」
「のは今でもけるじゃん!」
子の声が。
面会に響いた。
子は。
目を逸らした。
廊から。
寮たちの笑い声が聞こえた。
しばらくして。
子がをいた。
「のはね」
「うん」
「本が言いたいことをけばいいから」
「……?」
「ミツちゃんだったら、“母ちゃんの煮物べたい”とか。カヨちゃんだったら、“仕事で失敗した”とか。
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子だったら、“もう帰りたい”とか」
子は。
しだけ笑った。
「のことならけるんだよ」
子は。
すぐ聞いた。
「じゃあ自分は?」
姉の指が。
葉の端をなぞった。
「自分のことこうとするとね」
そこで。
声が震えた。
「何からいていいか、分かんなくなる」
子は、京へ着いた最初の夜のことから話し始めた。らない女3と同じ部に入り、とは違う布団の匂いので横になったものの、械の音がの奥に残って眠れなかった。隣の布団からすすり泣く声が聞こえ、自分も泣きたかったが、誰かに気づかれるのが嫌で毛布をまでかぶったという。
「最初のか、本当に帰りたかった」
子は言った。
「の音うるさいし、は痛いし、班には毎られるし、寮では呂のまで決まってる。なら台所へけば母ちゃんいるし、子と喧嘩もできるのに、ここでは誰にも腹てられなかった」
子は何も言わず聞いていた。
「母ちゃんの噌汁みたかった」
「うん」
「父ちゃんの咳の音まで聞きたかった」
「うん」
「子が勝に私の着てるの見てりたかった」
「もう着てないよ」
「嘘つけ」
ともし笑った。
でも。
子の目には。
涙が溜まっていた。
「じゃあ何でかなかったの」
子が聞いた。
子は。
膝のでを組んだ。
「そんなこといたら、母ちゃん迎えに来るでしょ」
「来ないかもしれない」
「来るよ」
子は即答した。
「母ちゃん、そういうだもん」
子は否定できなかった。
節子なら。
子が本気でつらいとけば。
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