"給食を食べなかった少女" 第2話
内を探した。
便所にもいない。
図にもいない。
玄関にも裏にもいなかった。
まさか帰宅したのかとい、舎の裏へ回った。
古い用具倉庫のに、さながあった。
壁際にはが本ある。
子はそのでしゃがみ込み、両でを受けていた。
そして。
何度も。
腹いっぱいになるまでむように。
たいをへ運んでいた。
「子」
女の肩がきくねた。
振り向いた顔から、みるみる血の気が引いていった。
「……先」
林は女のそばへ歩いた。
弁当箱もない。
べ物もない。
ただ、濡れた両だけがあった。
「お腹、痛くないんだな」
子は何も言わなかった。
「毎ここにいたのか」
唇を固く結んだ。
林は叱らなかった。
ただつだけ聞いた。
「どうしてをべない」
い沈黙のあと。
子は消えそうな声で答えた。
「……払ってないからです」
舎の裏を抜けるは、とはえないほどたかった。子はのにったまま、林と目をわせようとしなかった。濡れたをスカートの脇で拭いている姿を見ていると、教師として問い詰めるより先に、歳の子どもへこんなことをさせていた自分たちへの腹たしさが込みげた。
「費を払っていないからって、べちゃいけないなんて誰も言ってないだろう」
林がなるべく穏やかに言うと、子はさく首を振った。
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「でも、お母ちゃん払ってないから」
「それはお母さんと学で話すことだ」
「みんなは払ってる」
「子」
「私だけ払ってないのにべたら、ただでもらってるみたいだから」
林は返す言葉を失った。
の事と子どもの事は分けて考えるべきだと、では簡単に言える。しかし教には毎きちんと納めている庭の子がいて、子自がその違いをっている。誰から「べるな」と言われたわけでもないのに、自分で自分へ禁止を課していたのである。
「それで毎、保健にくふりをしてたのか」
子は頷いた。
「根先には迷惑かけてません。保健にはってないから」
「そういう問題じゃない」
わず声がくなったため、子の肩が縮こまった。
林は度息を吐いた。
「今は教へ戻ろう」
「嫌です」
「はもう終わりかけてる」
「それでも嫌です」
「どうして」
女はしばらく黙っていた。
「みんなが見るから」
「何を見るんだ」
「先と緒に戻ったら、何かあったって分かる」
林はまた言葉に詰まった。
貧しいことをられたくない。
特別扱いされたくない。
その気持ちが、が考えるよりはるかにいことを、その初めて理解した。
「分かった。じゃあししてからで戻りなさい」
子はさく頷いた。
教ではすでにが終わっていた。子はいつも通り午の授業を受け、黒板の問題を解き、指名されれば正しい答えを言った。
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らなければ、彼女が昼を抜いてだけんでいたとは誰もわないだろう。
そのの放課。
林は佐伯を訪ねた。
町のから歩いて20分ほどれた所にある古い平だった。根瓦の部がずれ、玄関先には内職で組みてるらしい箱が積まれている。戸を叩くと、代半の女性がを拭きながらてきた。
「佐伯さんですか」
「はい」
「子さんの担任の林です」
の顔が変わった。
「子が何かしましたか」
最初にその言葉がること自体、このが学からの連絡を恐れていることを示していた。
「いえ。叱るようなことではありません。のことでし」
母親の表がさらに固くなった。
「……費ですか」
「責めに来たわけじゃありません」
の奥から子どもの咳が聞こえた。
障子の向こうを覗くと、、歳くらいの男の子が布団に横になっている。その隣では、もうの幼い男の子が切れをに見てて遊んでいた。
林は玄関先では話しにくいとい、がるよう勧められて居へ入った。
「実は今、子さんが昼休みにをべず、舎裏でだけんでいるところを見つけました」
は最初、が分からないような顔をした。
「だけ……?」
「費を払っていないから、自分はべてはいけないとっていたようです」
母親のが止まった。
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