"給食を食べなかった少女" 第6話
「先はそう言うけど」
子は顔をげた。
「助けてもらうと、ずっと覚えてるんです」
「何を」
「自分だけ持ってなかったこと」
その言葉に。
林は。
何も返せなかった。
は「慮するな」と言える。
でも受け取る側には。
受け取った記憶が残る。
それは。
歳の誇りにとって。
っていた以に。
いものだった。
「じゃあ、つ約束しよう」
「何ですか」
「先は、勝にみんなので助けたりしない」
子は黙って聞いた。
「でも、本当に困ったはで決めない。なくとも先には言え」
「どうして」
「教師だから」
「先なら何でもできますか」
林は苦笑した。
「できない」
子がしだけ笑った。
「じゃあないじゃないですか」
「できないことはい。でも、よりの方が考えられる」
その言葉を。
子は忘れなかった。
数週。
栄治は仕事を見つけた。
町の製材所で。
事務所周りの雑用と。
夜の見回り。
以より。
賃はい。
それでも。
無収入よりはよかった。
初めて料を持ち帰った。
栄治は。
子へ。
何も言わず。
つの袋を渡した。
には。
しい鉛が。
本入っていた。
子は驚いた。
「何これ」
「お、いの使ってるだろ」
「まだ使える」
「いいから使え」
父はそれだけ言った。
の話は。
しなかった。
けれど。
子には。
その本が。
しだけ。
父からの返事のようにえた。
休みがづいた頃、林は学の資料を理しながら、子のことを考えていた。
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学はまだ以先の話だったが、計が苦しいからという理由だけで々に諦めさせるのは惜しい。成績だけを見れば分に能性があり、何より本に確な目標があった。
ある夕方。
林はまた佐伯を訪ねた。
今度は費の話ではない。
栄治に。
度。
娘の将来について。
落ち着いて話したかった。
へ着くと。
栄治は縁側で。
を揉んでいた。
仕事から帰ったばかりらしい。
「先。またの話ですか」
「今は違います」
「ですか」
「半分は」
栄治は苦い顔をした。
「先もしつこいですね」
「教師なんで」
「子にも同じこと言ってるでしょう」
しだけ。
とも笑った。
が茶をした。
林はへかせろと方に言うつもりはないと最初に伝えた。
「に状況がどうなっているかは分かりません。ただ、今から『無理だ』と決めてしまう必もないとっています」
栄治は返事をしなかった。
「子さんは、を抜いてまでを貯めていました」
「ってます」
「弟へパンを持って帰っていました」
父の顔が曇った。
「それも、女から聞きました」
「の募集票まで持っています」
その話はらなかったらしい。
栄治が顔をげた。
「何ですって?」
林は子が「けなかったのため」と言っていたことを話した。
栄治はく黙った。
やがて。
「俺もで学をました」
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と話し始めた。
「?」
「昔のことです。親父が病気になって、にがなくなった。今みたいに学までくのが当たりじゃなかったから、親戚の紹介で奉公にました」
最初に働いたのは材を扱うだった。
読みきはできた。
算盤もしできた。
それでも。
学歴がないことで。
任される仕事には限界があった。
戦争。
職を変えようとしたこともある。
怪をしてから。
事務仕事へ移れないか。
何度か相談した。
そのたび。
「帳簿はできるか」
「学はたか」
「文章はけるか」
と聞かれた。
栄治は。
黙るしかなかった。
「だから子にも同じを歩ませるんですか」
林が尋ねた。
栄治は顔をしかめた。
「逆ですよ」
「逆?」
「俺は学なくてもきてきた。だから、子だって何とかなるってってた」
そこまで言って。
を見た。
「でも怪したら終わりだった」
力仕事しか。
してこなかった。
が使えなくなるだけで。
仕事の選択肢は。
気になくなった。
「先」
栄治は静かに言った。
「って、どのくらいかかるんです」
初めてだった。
反対するためではなく。
るための質問。
林は持ってきた資料をいた。
授業料。
教材。
通学。
制。
全部。
説した。
「くはありません」
「そうでしょうね」
「奨学や支援の方法も、今調べられます」
「借でしょう」
「ものによります」
栄治はため息をついた。
「で、何とかなるといますか」
「分かりません」
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