臨月を迎えた大山カナは、夫・匠の海外出張中、突然押しかけてきた義両親によって家庭用サウナに閉じ込められる。 「私たちから息子を奪った罰よ」 外側から鍵をかけた義両親は、カナを暗く狭い密室に残したまま、5泊7日の温泉旅行へ出かけてしまう。水も食料もなく、助けを呼ぶスマホも手元にない。さらに極度の恐怖とストレスから、カナには陣痛が始まってしまう。 義妹、隣人、そして信じていた人々の裏切り。誰も助けてくれない絶望の中で、カナはある異変に気づく。 それは、義両親が最後まで見下していた「中卒の工場作業員の娘」という肩書きの裏に隠された、彼女自身の本当の力だった。 閉じ込めたはずの嫁。 消えるはずだった証拠。 そして、帰宅した義両親がサウナの扉を開けた瞬間に漂った異様な腐敗臭。 彼らが見たものは、完全犯罪の成功ではなく、自分たちの人生が崩れ落ちる地獄の始まりだった――。