"嫁に奪われた最後の400万円" 第3話
「お母様、楽しみですね」
「本当に。こんな旅、久しぶりなのよ。美さん、ありがとうね」
「せっかくだから、いっぱい楽しみましょう」
私は会話に入ろうとしました。
「ホテルの夕って――」
すると運転していた輔が苛った声で遮りました。
「母さん、静かにしてて。運転の邪魔だから」
私はを閉じました。
成田空港に着いても、輔は私の荷物を持とうとしませんでした。
いスーツケースを引きながら、3のろを歩きました。
自分だけが族ではなく、誰かの荷物を運ぶ付き添いのような気分でした。
チェックインカウンターくで、美は母親へ子を勧めました。
「お母様、疲れてません? し座っていてください」
「ありがとう」
私には何の言葉もありません。
そこにいないのように扱われていました。
そして数分。
輔が私のにちました。
「母さん、ちょっといい?」
その隣では、美が笑いを堪えているように元へを当てていました。
「美のお母さんも緒に来ることになったからさ、母さんの分はキャンセルしたんだ」
その言葉から始まったのが、冒の来事でした。
「400万円、ごちそうさまでした」
「ヅルは用済みですから」
私は最まで笑顔を崩しませんでした。
「ってらっしゃい」
そう言って、を振りました。
4は私を振り返ることもなく、搭乗続きの方へ歩いていきました。
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広も黙ってついていきました。
その背を見ながら、私はいました。
このたちは、本当に私の族なのだろうか。
その答えを確かめる必は、もうありませんでした。
私はすでに、3から答えをっていたからです。
空港に1残された私は、しばらくけませんでした。
やがての流れを避けるように空港内のカフェへ入り、窓際の席へ座りました。注文したコーヒーが運ばれてきても、すぐにはをつける気になれませんでした。
私はスマートフォンを取りしました。
最初にいたのは美のSNSでした。
そこには、つい数分に撮したとわれる写真が載っていました。
輔、美、美の母親、そして広。
4が笑顔で並んでいます。
私は映っていません。
投稿にはこうかれていました。
「族で願のリゾート旅。最のいになりそう」
そのには、友たちから「羨ましい」「楽しんできてね」というコメントが並んでいました。
族。
その言葉を見て、胸の奥が静かに痛みました。
さらに過の投稿を遡ります。
1週には、美の母親と旅の準備をする写真がありました。
「お母様と旅計画。本当の族って素敵」
私は画面を見つめました。
本当の族。
では私は、体何だったのでしょう。
28、息子のために働き続けた私は、族ではなかったのでしょうか。
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しかし、その疑問も今となってはがありませんでした。
私は別のフォルダをきました。
そこには、2週に度投稿され、すぐ削除された美のSNS画面を保したスクリーンショットが残っていました。
「おしてくれるって便利よね」
笑顔の絵文字まで添えられていました。
最初にその投稿を見た、私は自分のことだとはいたくありませんでした。
だから保だけして、何も言わなかったのです。
その数、さらに決定なものを見つけました。
輔たちの族用LINEグループです。
以、輔のスマートフォン設定を伝った際、共グループに私のアカウントが残ったままになっていました。通を切っていたため、彼らは私が今も内容を確認できることに気づいていませんでした。
そこには、私が見てはいけなかった会話が並んでいました。
《母さんから400万ゲットした》
輔。
その直、美が返信しています。
《やった! これで私のお母さんも連れていける》
《お義母さんの席どうする?》
《キャンセルすればいいでしょ》
そして輔。
《母さんマジでヅルだわ。もう用済み》
私は最初にその文字を見た、息が止まりそうになりました。
さらに続きがありました。
《次は遺産狙いでいこう》
美の母親からもメッセージがありました。
《でも、美佐子さんかわいそうじゃない?》
その言に、ほんのしだけ救われた気持ちになりました。
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