"最後の迷子放送" 第11話
くの子どもにとって、迷子放送は恥ずかしいいだったかもしれない。遊びにになって親とはぐれ、館内いっぱいに自分の名を呼ばれれば、へ帰ってから兄弟にからかわれることもあっただろう。
けれど崎澄と京子にとって、あの放送はし違うを持っていた。
5歳の京子が初めて迷子になった昭27、あの声は「お母さんがここにいる」と教えるものだった。
24歳の京子が母と別れたあと、同じ声は「まだここで待っている」と伝えるものになった。
そして昭49、20以と同じ言葉を聞いた京子は、自分ので案内所へ戻ってきた。
あの、恵子がマイクへ向かって読んだのは、ほんのい呼びしだった。
「京ちゃん。京ちゃん。お母さまが1階案内所でお待ちです」
所も理由も、謝罪の言葉も入っていない。
それでも京子には分だった。
母が伝えたかったことは、結局最初からつだけだったからである。
どれだけくへっても、どれだけくれても、帰ってくれば、ここで待っている。
幼いに迷子になった娘を見つけた声は、20以いを経て、今度はのでれてしまった母と娘を、もう度同じ所へ呼び戻した。
百貨のから馬が消え、堂のメニューが変わり、やがて町の々の買い物の仕方まで変わっていったとしても、あの午3に流れたい放送を覚えている者たちのでは、の母親が子へ座って娘を待ち続けた10分だけは、く残っていた。
それは、迷子を探すためだけの放送ではなかった。
い回りをしたへ、帰る所がまだ残っていることをらせる声だった。
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