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帰れなかった15歳

帰れなかった15歳

藤井千景 完結 0

昭和35年、15歳の佐和子は、弟たちを助けるために集団就職列車へ乗り込んだ。 向かう先は東京。母が持たせてくれた竹皮の握り飯を抱え、佐和子は故郷を後にする。だが上野駅に到着した時、点呼に彼女の姿はなかった。 座席に残されていたのは、食べかけの握り飯だけ。 「怖くなって逃げた」「男と消えた」――小さな町では、心ない噂だけが広がっていく。それでも母だけは、娘が理由もなく姿を消すはずがないと信じ続けた。 それから23年後。 同じ列車に乗っていた同級生のもとへ、一通の封書が届く。 「佐和子は、東京まで来ています」 あの日、少女は本当にどこへ消えたのか。 母が知らなかった23年の真実が、ようやく動き出す。

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