みかん小説
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"三度目の金色の玉" 第6話

千代は森田のを訪ねた。

森田は帳で伝票を理していた。

顔をげると、し驚いた。

「千代さん。どうした」

千代はへ入った。

しばらく何も言わず、森田を見た。

「会さん」

「うん?」

の炊飯器も、そうだったんですか?」

森田のが止まった。

質問のを尋ねることもできた。

何のことか分からないふりをすることもできた。

しかし森田は、何も言えなかった。

その沈黙だけで、千代には分だった。

「ああ……」

千代はさく息を吐いた。

るのではないかと森田はった。

炊飯器も返す。

ストーブも返す。

そんなものはいらないと言われるかもしれない。

実際、それまでの千代なら、そうした能性はかった。

だが千代はすぐには何も言わなかった。

の隅に積まれた荷物を見て、それから窓のへ目を向けた。

の商々がき交っていた。

「誰が考えたんですか」

森田は観した。

「俺1じゃない」

「やっぱり」

「千代さん、悪くわないでくれ」

「主のことですか」

森田は頷いた。

「信夫に皆、世話になったから」

千代は目を伏せた。

「だから、おは受け取らないって言ったでしょう」

「分かってる」

「お米も、お魚も、ちゃんと払いました」

「それも分かってる」

森田は困ったようにをかいた。

「だから、こうするしかなかったんだ」

千代はしばらく黙っていた。

そのは灯油の値段もがっていた。

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で使っている古いストーブも、何度か調子が悪くなっていた。息子は受験を控え、夜遅くまで机へ向かうことが増えている。

しいストーブがあれば助かる。

それは事実だった。

千代はゆっくり顔をげた。

「今だけは、いただきます」

森田は聞き返した。

「いいのか?」

「はい」

「本当に?」

「息子が受験ですから。夜、寒いのはかわいそうなので」

言い終えると、千代はしだけ笑った。

「でも、私が何も気づいてないとわないでくださいね」

森田も苦笑した。

「参ったな」

千代はそのままた。

それが、千代が初めて商を拒まなかっただった。

森田はその背を見ながら、これで終わりにしようとった。

けれど次の昭53

福引の等景品として、品の婦用自転が用された。

森田は自転を見るたび、千代のことを考えた。

へ通うにも、買い物へくにも使える。

暮らしの役につ。

そして結局、3度目のの玉を用した。

千代が福引所へ来た

森田はと同じように玉を入れた。

千代は何も言わず、抽選器を回した。

の玉が落ちた。

3連続の等。

周囲が驚く、森田だけは、その結果を最初からっていた。

そして千代もまた、そのことをっていた。

ただ2とも、そのでは何も言わなかった。

53等、自転は、そののうちに千代のもとへ渡された。

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の者たちは当然、千代が自分で使うものだとっていた。

への通勤にも便利だろう。

買い物の荷物も運べる。

の息子が使うこともあるかもしれない。

ところが数週が過ぎても、千代がその自転に乗っている姿を誰も見なかった。

俊夫も気にはなっていた。

3連続の等を疑い始めていた期だったため、自転のことまで妙に引っかかった。

ただ、そのためだけに千代のくわけにもいかない。

自転をどう使おうと本の自由である。

俊夫もやがて忘れかけていた。

末のある

かられたを歩いていただった。

造アパートのに、見覚えのある自転が止まっていた。

品にい婦用自転

も形も、商の福引所に置かれていた等景品と同じだった。

俊夫はを止めた。

「まさかな」

同じ型の自転など、ほかにもある。

そうっていると、アパートからくらいのてきた。

は鞄を肩に掛け、その自転の鍵をけた。

ろの荷台には、聞を積むためのきな袋を載せられるようになっていた。

俊夫はに見覚えがあった。

く商先へ聞を配っているだった。

夕方にも配達している姿を見かけることがある。

父親が病気で働けず、計を助けながらへ通っているという話を、以誰かから聞いたことがあった。

「ちょっといいか」

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