"「介護が悪い」と責めた家族の3日後" 第11話
相談員は淡々と質問を続けた。
「事の量はどうでしたか?むせ込みはありましたか?」
次々とんでくる質問に、俊夫は1つも答えることができなかった。
「俺が介護をやっている」と誇張してきた男の現実が、のに晒された瞬だ。
相談員は困ったような顔で、あの介護ノートをいた。
そこには私がき残した11の記録と、弓がこの3で必にき殴った乱れた文字が並んでいる。
俊夫の字はただの文字もなかった。
相談員は呆れたように息を吐いた。
「分かりました。こちらで様子を見ながら対応します。」
相談員は最の続きに入った。
「では、お預かりするの用品代として、先に1万円をお預かりします。」
俊夫は舌打ちをしてポケットを探った。
財布のには1000円札が数枚しか入っていなかった。
彼は苛ちながら私を振り返った。
「おい、1万円せ。」
私は静かに首を横に振った。
「私、お義母さんのおは持っていませんよ。」
俊夫が声を荒らげた。
「て替えておけと言ってるんだ。俺は持ちわせがないんだよ!」
そのだった。
私はこの3で初めて、彼に向けて反撃の言葉を放った。
「どうして私がて替えるんですか?」
私は俊夫の目を真っ直ぐに見据えた。
「お義母さんの通帳は、俊夫さんが持っているじゃないですか。」
私はしだけ声のトーンを落とした。
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「しいゴルフクラブを買えるくらい、残はたくさんあるんでしょう?」
その瞬、相談の空気がピタリと止まった。
俊夫の顔から、さっと血の気が引いていくのが分かった。
彼の目はきく見き、は半きのまま直している。
弓も驚いて兄の顔を見た。
「お兄ちゃん、何の話?クラブって……」
俊夫は弓の問いかけに答えることもできず、ただパクパクとをかすだけだ。
彼が絶対にバレていないと信じていた最の秘密。
それを私がこんな勢ので、最も残酷なタイミングで突きつけたのだ。
私は会釈をした。
「じゃあ、私はこれで失礼します。3、本当にお疲れ様でした。」
私はそれだけ言い残し、義母にさくを振って相談をた。
背からは何の言葉も聞こえてこない。
ただ俊夫が完全に言葉を失い、自分の嘘に押しつぶされていく苦しい空気だけが漂っていた。
しかし、私の本当の目は夫に恥をかかせることではない。
奪われた11分のを、公な続きのもとで確実に取り戻すこと。
夫の崩壊はまだ始まったばかりだった。
施設をた私を待っていたのは、したくてよいのだった。
振り返ることはしなかった。
相談に残してきた夫の青ざめた顔と、義妹の絶望したような表。
それは私が11わってきたことの、ほんの入りに過ぎないからだ。
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隣を歩くケアマネージャーの岸さんがさく息を吐いた。
「さん、ご主のあの顔。全く予していなかったようですね。」
「はい。私が通帳を見ることなんて絶対にないとい込んでいましたから。」
岸さんは力く言った。
「このまま弁護士事務所へ向かいましょう。鉄はいうちに打たなければなりません。」
私は力く頷き、岸さんと共に駅のタクシー乗りへ向かった。
その頃、ショートステイの相談では苦しい沈黙が続いていた。
施設の職員が困惑したようにっている。
「あの、佐藤さん。用品代の1万円ですが……」
俊夫は額に油汗を浮かべ、虚空を見つめたままけなかった。
妻が自分の最の秘密をっていた。
その事実が彼の考を完全に止させていたのだ。
業を煮やした弓が、自分の財布から1万円札を取りした。
「私が払います。領収は結構です。」
弓はたい声でそう言い、兄を瞥もせずに部をていった。
俊夫は慌ててに返り、妹の背を追いかけた。
「おい弓、待てよ!」
帰りの内は、息が詰まるような沈黙に包まれていた。
運転席の俊夫は、何度もチラチラと助席の弓を見た。
しかし弓は窓のを見たまま、言もをかない。
ウィンカーの乾いた音だけが内に響き続けていた。
実に戻ると、のは奇妙なほど静かだった。
いつも聞こえていた医療用ベッドのモーター音も、義母の細い咳もない。
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