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"「介護が悪い」と責めた家族の3日後" 第13話

あの通帳をに見られれば、自分の横領が完全に証されてしまう。

もし弁護士や警察に持っていかれたら、会社にられたら、築きげてきた自分のが全て音をてて崩れってしまう。

俊夫はうようにしてリビングに戻り、テーブルののスマートフォンをに取った。

画面には何件もの仕事の通が来ていた。

しかしそんなものはもうどうでも良くなった。

彼は震える指で話帳からの名を探しし、発信ボタンを押した。

プルル、プルル。

質な呼びし音が誰もいないリビングに響く。

ろ、頼む。てくれ。」

俊夫はスマートフォンをに押し当て、祈るように叫んだ。

しかし話は繋がらない。

しばらく鳴り続けた、「ただいま話にることができません」というたいアナウンスが流れた。

俊夫は舌打ちをして、すぐにかけ直した。

1度、2度、3度。

それでもることはなかった。

これまでは、彼が1度でも話を鳴らせばはすぐに話にた。

「お義母さんに何かあったの?」と、配そうな声で。

しかし今は、何度かけても虚しい子音が響くだけだ。

「クソッ。どこにいるんだよ!」

俊夫はスマートフォンをテーブルに叩きつけた。

画面が暗くなり、部は再び静寂に包まれた。

テーブルのに残された介護ノートが、彼を無言で見ろしているようだった。

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そのの午、弁護士事務所の応接で、私は岸さんと共に配の弁護士と向きっていた。

テーブルのには、私が持ちしたあの通帳がかれている。

弁護士は1つ1つの引きし記録を指でなぞりながら、く頷いた。

「佐藤さん、これは非常に悪質なケースです。」

弁護士は厳しい顔をした。

「ご主はご自の母親の財産を私に流用し、それを隠すためにあなたを精神に支配してきた。証拠としては分すぎます。」

その言葉を聞いて、私はバッグのにあるスマートフォンを見つめた。

画面には着信をらせるランプが、狂ったように点滅し続けていた。

全ては私の計画通りにんでいた。

「今すぐそのドアをけろ!」

激しい属音が、静かなマンションの廊に響き渡った。

が落ちて暗くなった夕方の6過ぎ。

妹のの玄関ドアが、から力任せに叩かれていた。

インターホンのカメラには、顔を真っ赤にして鳴る夫の姿が映っている。

ネクタイはされ、髪は振り乱れ、まるで何かに追われているような異様な形相だった。

、いるのは分かってるんだぞ!けないなら警察を呼ぶからな!」

夫の俊夫は、カメラに向かって唾をばしながら叫んだ。

私が実から義母の通帳を持ちしたことに、ようやく気づいたのだろう。

妹は青ざめた顔で私の袖をく掴んだ。

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「お姉ちゃん、どうしよう。警察なんて……」

私は震える妹のを静かに握り返した。

丈夫よ。」

「絶対にけないで」と言いたいところだけど、私はさく呼吸をして玄関へ向かった。

ここで逃げたら、あの変わらないから。

私はチェーンロックをかけたまま、ゆっくりとドアをしだけけた。

わずかな隙から、酒とタバコ、そして汗の嫌な匂いが流れ込んできた。

俊夫はドアの隙に無理やりをねじ込み、私を睨みつけた。

棒!お、母さんの通帳を盗みやがったな!」

夫の第声は、妻を配する言葉でも謝罪でもなかった。

自分のづるを奪われたことへの、見苦しいりだけだ。

棒?」

私はを完全に消した声で聞き返した。

「お義母さんの通帳は、お義母さんのものです。あなたのものではありません。」

「ふざけるな!俺は男なんだぞ。俺が管理して当然だろうが!」

俊夫はドアの隙から腕を伸ばし、私の胸ぐらを掴もうとした。

私はがり、たい線で夫のを見ろした。

「管理?温泉旅しいゴルフクラブを買うことがですか?」

その言葉を聞いた瞬、俊夫のきがピタリと止まった。

彼の喉仏がごくりときくくのが見えた。

のショートステイ先での来事が、彼のをよぎったのだろう。

しかし俊夫はすぐにき直った。

私を言葉で支配してきた男のプライドが、自分の非を認めることを拒絶したのだ。

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