"席次表から消された母" 第11話
奈津子も呼ばれた。
玄関をけると。
もう。
先客がいた。
真理子だった。
「あ」
「こんにちは」
まだ。
し気まずい。
は。
頻繁に連絡を取る仲ではない。
誕にいメッセージ。
末に度。
それくらい。
無理に仲良くなる必はないと。
とも分かっていた。
「母さんたち、こっち」
亮がリビングから呼んだ。
同に返事をした。
「何?」
その瞬。
奈津子と真理子は。
顔を見わせた。
亮が笑う。
「ややこしいな」
結がキッチンから言った。
「今さら?」
テーブルのに。
結婚式のアルバムが置かれていた。
ページをめくる。
挙式。
披宴。
友。
親戚。
そして。
族写真。
央に亮と結。
その隣。
雅。
奈津子。
真理子。
誰かが見れば。
変わった族に見えるかもしれない。
でも。
奈津子には。
今なら分かる。
族は。
枚の写真へ綺麗に収まる関係だけではない。
血がつながっているのに。
緒に暮らせないこともある。
血がつながっていなくても。
25。
毎朝同じ卓を囲むこともある。
婚して。
族ではなくなったように見えても。
息子の父親であり続けるもいる。
産んだのに。
育てられなかった母親もいる。
育てたのに。
自分が本物なのか悩み続けた母親もいる。
どれかを消せば。
分かりやすくなる。
でも。
分かりやすい族だけが。
本当の族ではない。
「奈津子さん」
真理子が声をかけた。
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「何?」
バッグから。
古い封筒を通した。
「これ、渡そうか迷ってたんです」
「何?」
真理子はし恥ずかしそうに笑った。
「25、あなたに送ろうとって、結局送らなかった」
奈津子は受け取った。
《奈津子さんへ》
あの未封のとは。
別のものだった。
「読んでいい?」
「今はやめてください」
「何で?」
「恥ずかしいから、帰ってから」
奈津子は笑った。
その夜。
自分の部へ戻ってから。
封筒をいた。
25の真理子の字。
《あなたのことを、私はまだ好きになれません》
最初の文で。
奈津子は吹きした。
続き。
《会ったこともないのに、あなたが羨ましいです》
《私がいたかったで、私が作りたかった夕を作って、亮におやすみと言えるだから》
奈津子は静かに読みめた。
《でも同に、あなたがいてくれてよかったとっています》
《このつの気持ちが緒にあることが、自分でも嫌です》
《たぶん私は、あなたに謝しながら嫉妬しています》
奈津子は。
い。
その文章を見ていた。
綺麗ではなかった。
だから。
本当だとった。
最。
《いつか私たちが会うが来ても、母親という席を取りうにはなりたくありません》
25。
真理子は。
そういていた。
奈津子はを閉じた。
そして。
結婚式のをいした。
雅は。
母親の席はつしかないとっていた。
だから。
真理子を座らせるために。
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奈津子をそうとした。
25も。
同じだった。
しい母親を入れるために。
古い母親をした。
けれど。
本当は。
最初から。
誰かを消す必などなかったのかもしれない。
翌朝。
亮から写真が送られてきた。
昨。
結が撮ったらしい。
テーブルに座る。
奈津子。
真理子。
亮。
とも。
何かを話して笑っている。
奈津子は写真をしばらく眺めた。
それから。
真理子へ送った。
《昨の写真》
すぐ返事が来た。
《私、目つぶってます》
奈津子は笑った。
《また撮ればいいでしょう》
数秒。
《次はいつにします?》
奈津子はし考え。
《急がなくていいんじゃない》
と返した。
25。
らなかっただった。
これから。
無理に失ったを取り戻す必はない。
会いたいに。
会えばいい。
話したいに。
話せばいい。
それぞれ。
自分で決めればいい。
奈津子は窓をけた。
のが入った。
56歳で。
い結婚が終わった。
息子は結婚した。
も変わった。
名字についても。
しずつ続きをしている。
まだ。
寂しい夜はある。
これで正しかったのかと。
考えるもある。
それでも。
以のへ戻りたいとはわない。
自分のに。
誰かから与えられた席を探すのは。
もうやめた。
母親。
妻。
嫁。
そんな名がなくても。
自分は。
自分の所へ座ればいい。
そして。
誰かが隣へ座りたいと言った。
つだけ覚えていたい。
席がりないのなら。
誰かをたせるのではなく。
子をつ増やせばいい。
奈津子は。
朝のので。
もう度。
昨の写真をいた。
そこには。
誰かの代わりではないが。
それぞれの顔で。
笑っていた。
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