"「無職の父」と呼ばれた6年間" 第8話
帰り、悠は「婚したのに今は楽しかった」と言った。公平は、楽しくてよいのだと答えた。両親が仲良く見えると復縁を期待させるのではないかと配したが、息子は「また結婚するの?」とは尋ねなかった。
「別々のままでいい。けんかしないなら」と悠は続けた。
子どもが望んでいたのは、必ずしも両親が同居することではなかった。自分ので相を悪く言わず、予定を勝に壊さず、必なに連絡を取りうことだった。
その、公平にも交際を考える相ができた。同じ会社で働く女性だったが、すぐ悠へ紹介はしなかった。父親だからしい関係を持ってはいけないのではなく、息子の活へ入れるにをかける必があると考えた。
美咲にもそのことを伝えた。許を求めたのではなく、悠が先に別の所からってにならないためだった。美咲は驚いたが、息子への説期だけは相談してほしいと答えた。
婚の族は、完成した形ではなかった。仕事、交際、成によって予定は変わる。だから度決めた規則を守るだけでなく、変化を隠さず話すことが必だった。
6の終わり、悠は学へ提する健康管理資料を自分でも作りたいと言った。これまでは公平が説文をき、本は横で聞くだけだった。
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今度は、血糖の兆候、自分でできること、へ頼みたいことを悠自がまとめた。
「お父さんが来られないもあるから」と息子は言った。
公平は寂しさをじながら、正しい成だとった。父親がすべて管理し続けることが全なのではない。齢にわせて本へ返し、周囲へ分けることが必だった。
学の連絡帳も最のページを迎えた。発症直から保してきた冊子は18冊になっていた。公平は親権を争う資料としてコピーを作ったが、原本は悠の成の記録でもある。
最初の頃には、測定を嫌がって泣いたこと、運会で数値ががったこと、初めて自分で補を選べたがかれている。美咲が参加した授業参観や、誕に弁当を作ったの記録も残っていた。
公平は、それらを妻のを証する具としてだけ読んでいた期を恥じた。同じ記録には、美咲が働いて計を支えたから続けられた活もあった。夫婦の役割が公平だったことと、片方の貢献が無かったことは同じではない。
学の入学説会には公平と美咲がそろって参加した。養護教諭へ説する、半を悠、補を両親が担当した。教師は緊急連絡先の順番を尋ねた。
悠はし考え、「曜で違います。曜と隔週末は母、それ以は父。
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でも、なければ次へかけてください」と答えた。
以なら公平の番号だけが最初だった。今は母親も祖母も対応を学び、息子自も説できる。公平が唯のでなくなったことは、父親として失敗した証拠ではなく、6の役目が実った結果だった。
説会の帰り、美咲は公平へ「作文をかせたことを、ずっと謝れていなかった」と言った。親権を得るため、息子の満を使ったことを認めた。
公平は謝罪を受け取ったが、すぐ「もういい」とは言わなかった。悠が自分の言葉を疑うようになった期は消えない。度と子どもへ親を選ばせる言葉をかせないことを確認した。
公平も、注射のにい声をしたことを改めて息子へ謝った。悠は「もう覚えてるけど、今は怖くない」と答えた。
記憶は消さなくてよい。今の関係できするのではなく、その記憶を持ったまま違う対応をねればよいのだとった。
婚から2、公平は勤務を週5に増やした。悠は12歳になり、学での測定や補をほとんど自分でえる。公平が急な残業になるは、美咲か佳代子が対応した。
公平は会社でさなチームの責任者になった。部のが子どもの通院で退を申した、「族に任せられないのか」とは聞かなかった。引き継ぎを確認し、翌の仕事を調した。
かつて面接で言われて傷ついた言葉を、自分が次のへ渡さないこと。それも6の経験を仕事へ変える方法だった。
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