"親孝行214点の姉が降りた日" 第5話
隆弘、21。
悠、18。
絵美、13。
佳奈、8。
悠はページをめくるを止めた。
「これ、ポイントと同じじゃないか」
隆弘も横から覗き込み、恵子を見た。
「姉ちゃん、これってたのか?」
恵子はすぐには答えず、やがてさく頷いた。
「お父さんがくなったに見つけた」
「じゃあ親孝ポイント、お父さんの真似なのか?」
「参考にはした。でも、お父さんがポイントって呼んでたわけじゃない」
悠ので、これまで単なる姉の暴だとっていたものがしだけ違って見えた。なくとも、誰が父を支えたのか数字にして残すという発そのものは、恵子が突然いついたわけではない。父自が、治療に族へ頼んだことを記録していたのである。
「母さんもこのノートのことってるの?」
「ってる」
「何で最初に言わなかったんだよ」
隆弘が責めるように聞くと、恵子は苦笑した。
「言ったら、んだお父さんを利用してるって言ったでしょう」
「実際、利用してるじゃないか」
「じゃあ、この数字は何?」
恵子はノートをき、自分の名の横にある84という数字を指した。
「お父さんも分かってたってことでしょう。誰が何回病院へったか。誰が頼まれたことを引き受けたか」
隆弘は何も言えなくなった。
悠も、自分の18という数字を見た。
父が本格に治療を受けた約1半の、姉は84回。自分は18回。
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単純な回数だけでも5倍い差がある。それまで「来る範囲ではやった」とっていたが、数字にされると、来る範囲という言葉が都のいい逃げだったようにもえてきた。
「姉ちゃん、こんなに病院へってたのか?」
悠がわず聞くと、恵子は笑わなかった。
「覚えてないの?」
「……全部は」
「そうだよね。来てないは覚えてないよね」
以なら腹がったはずの言葉が、そのはし違って聞こえた。
そのもノートを確認したが、最の数ページだけは自然に破り取られていた。綴じ目からがちぎられた跡が残っており、父自が破ったのか、から誰かが取ったのかは分からない。
「姉ちゃん、最のページは?」
「らない。見つけたからなかった」
恵子はそう言ったが、悠にはわずかに引っかかるものが残った。
その夜、佳奈へノートの話をすると、妻はったほど驚かなかった。
「表、本当に《お願い》っていてあったの?」
「そうだけど」
「《親孝》でも《族評価》でもなくて、《お願い》なんだよね」
「でも数字がある」
佳奈はし首を傾げた。
「数字があるからって、順位をつけるためとは限らないでしょう」
悠はその、く考えなかった。
父が何のために数字を残したのか。
その答えが、半に族全員のでを変えることになるとは、まだ誰もらなかった。
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父のノートを見つけてから数、悠は恵子を誘って父の墓へった。墓参りそのものが目だったというより、父の闘病に姉が何をしていたのか、今になってきちんと聞いてみたいとったのである。墓をた、2はくのファミリーレストランへ入り、昼を過ぎた静かな内で向かいった。
「父さんののこと、聞いていい?」
悠が切りすと、恵子はコーヒーへ砂糖を入れながら「今さら?」と苦笑した。嫌がっているように見えたが、本当に話したくないならへ入ること自体断っただろう。悠は、父が病気になった頃のことをつずつ尋ねた。
当、恵子は38歳で、元の旅会社に正社員として勤めていた。娘の莉奈は学5で、夫の浩も会社員だった。父の肺がんが分かった当初は、きょうだい3で病院の付き添いや実の用事を分担する話になっていたという。
ところが半も経たないうちに、その分担は形だけになった。
隆弘からは「末で忙しい」、悠からは「佳奈が妊娠だから」、母からは「恵子は女だから病院の説も分かるでしょう」と言われた。誰かが最初から恵子へ押しつけようとしたわけではなく、回回にはそれぞれもっともらしい理由があった。
「私も最初は、いいよって言ってたんだよ」
恵子はナプキンを指で折りながら話した。
「だって、お父さんだったから。病院へきたくないなんてわなかったし、来るならやろうとってた」
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