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"12年前も、彼が犯人だった" 第8話

森川が配代へ1万円を乗せし始めた、宮本は受け取りを断った。しかし森川は、配送員へ現を渡し続けた。

配送員を困らせないため、宮本は岸本へ自分に渡すよう伝えた。その際、領収や回収票の処理を確に指示しなかった。

最初の、帳簿に1万円の差がた。

本来なら、その点で事を話せば済んだ。しかし説すれば、12に自腹で30万円を渡した理由や、過配送の事実まで話さなければならない。

宮本は黙った。

翌週、また1万円の差がた。社内で盗難の能性が語られ、に清掃へ入っている佐々の名が挙がった。

「その、清掃員が昔の佐々さんだと気づきましたね」

「気づいた」

「なぜ、違うと言わなかったんですか?」

宮本は顔を背けた。

「都がよかったんだ」

を疑った。

「何がです?」

「佐々なら、昔の事故のことがある。疑われてもく反論しないとった」

「それで黙っていたんですか?」

「清掃会社が佐々せば、それで話は終わるとった」

「ロッカーの3万円は?」

宮本は目を閉じた。

「俺が入れた」

は、しばらく言葉をせなかった。

「森川さんから受け取った3万円を?」

「ああ。額がえば、それ以調べられずに終わるとった」

誰か1を犯にすれば、会社は楽になる。

佐々話で言った言葉が、直で蘇った。

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「佐々さんのは、度壊れているんですよ」

鳴る代わりに、い声で言った。

「事故を起こした責任を1で背負い、会社を辞め、族まで失った。そのに、もう度同じことをしたんですか」

「分かっている」

「分かっていて、ロッカーへを入れたんですか?」

「分かっていると言っているだろ!」

宮本が初めて声を荒らげた。事務所にいた社員たちが、驚いてこちらを振り返った。

「何が怖かったんです?」

が尋ねると、宮本の勢いが急にまった。

「12のことが、全部るのが怖かった」

事故の、佐々へ追加配送を命じたのは宮本だった。休憩が取れていないことも、勤務すぎることも把握していた。

それでも、当の会社にはりなかった。との契約に穴をけないため、「今だけ頼む」と無理をさせた。

事故、会社の管理責任が問われれば、配事業の契約を失う能性があった。宮本は会社を守るため、事故を佐々として処理した。

退職乗せし、森川へ自腹で30万円を渡した。毎森川を訪ねることで、自分なりに償っているつもりだった。

「だったら、佐々さんにも謝ればよかったでしょう」

「謝ったら、自分が悪かったと認めることになる」

「悪かったんでしょう?」

宮本は顔をげられなかった。

会社で最も頼られ、誰かの失敗があればへ入り、問題を解決してきた物だった。

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しかし、自分が起こした最もきな問題だけは、12見ないふりを続けていた。

その結果、過を隠すために、同じを再び犯へ仕げようとした。

翌朝、直川社へすべて報告した。宮本も同席し、森川からの返、帳簿差額の原因、ロッカーへ3万円を入れたことを認めた。

話を聞き終えた川は、何も言わなかった。

「宮本さん、どうして相談してくれなかったんです」

「康夫さん、12はまだ専務だったでしょう」

「だから何です?」

「相談しても、会社を守れと言ったといます」

川の表が固まった。

12の事故処理類には、当専務だった川の印も押されていた。細かな事まではらなかったとしても、佐々の急な自己都退職や、事故報告自然さに疑問を持つ会はあったはずだ。

「社も、何かおかしいとはっていましたか?」

が尋ねると、川は目を閉じた。

「……しは」

その答えで分だった。

宮本だけが悪だったわけではない。

も12、会社全体でわれた配送状況の調査に、「無理な追加配送はない」と回答していた。本当は自分の営業所でも、休憩を削った追加配送がわれていた。

、妻が妊娠で、のローンもあった。会社から面倒な社員とわれたくなくて、事実をかなかった。

佐々の事故が個の問題として終われば、自分にも都がよかったのである。

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