"消えた妻と13本のテープ" 第6話
武夫は常連客へ、無料で価な具を譲ることも約束した。相はく考えず、警察へ嘘をついた。
妻の姿が見つからず、事件性もいと報じられるようになると、今さら証言を変えられなくなった。
「ずっと言えませんでした。まさか、あのが奥さんを……」
男性の証言によって、武夫には午5半から9頃まで、説されていない空のがあったことが判した。
千鶴が自宅をた直、武夫もをていた能性がある。バスより先にで町へ向かえば、千鶴よりく到着することもできた。
武夫の物へ午645分にかかってきた女性からの話。
川井のATM利用刻は午710分。
武夫が居酒へ現れたのは午910分頃。
警察は、千鶴が公衆話から武夫の所を確認し、その、川井と喫茶で会ったと考えた。
川井はをた、向かいのに武夫がっているのを目撃した。千鶴へらせるべきか迷ったが、夫婦の問題へく介入することを恐れた。
千鶴は川井と別れた、武夫と対面した。
そこから先を直接示す録音はなかった。
しかし川井の2008のテープには、これまで注目されていなかった言葉が入っていた。
《の音がへ向かった。私は追えなかった》
川井は千鶴と武夫がでるところまで見ていたのかもしれない。
が向かったとされるの麓には、あの農業用ため池があった。
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捜査会議で、ため池を調べることが決まった。
ところが、捜査員が武夫の所を確認すると、すでに話を聞けないことが分かった。
武夫は2008、肝臓がんでくなっていた。
千鶴の失踪から11、川井が最のテープを残す1だった。
真実が見つかっても、武夫を法廷へたせることはできない。
残された唯の望みは、ため池の底に何かが残っていることだった。
ため池の本格な調査が始まったのは、20109だった。
池は1970代に農業用を確保するため作られ、から流れ込むを溜めていた。は最もい所で7メートルに達し、底には堆積したがく積もっている。
最にがかりな清掃がわれたのは、1980代半だった。それ以、を完全に抜いた記録はない。
1997は量がなく、普段より位が1メートルほどかった。当なら、管理用の未舗装から際まででづくことも能だった。
専の潜チームが投入されたが、の界はほとんどなかった。潜員たちは探りでを確認し、属探や音波探査も使用した。
初と2目には、農具、空き缶、自転の部品などが見つかっただけだった。
3目の午、池の側、約6メートルのから、布のようなものが確認された。
慎に引きげると、原形を失いかけた女性用のハンドバッグだった。
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具は錆び、布は黒く変していた。にはが詰まっていたが、洗浄するとさな鏡、バスの回数券2枚、の指輪がてきた。
指輪は黒く変していたものの、細い模様が残されていた。
警察から連絡を受け、28歳になった栞が確認へ訪れた。
担当者が写真を見せると、栞はしばらく黙っていた。やがて、指輪の模様へ指を添えた。
「母のものです」
「違いありませんか?」
「特別なにだけ、つけていました。私の入学式にもつけていて……同窓会のも、この指輪をはめてかけました」
栞の声は震えていなかった。13、母親がどこかできている能性と、もう戻らない能性ので待ち続けてきた。
泣くことさえ、とうに疲れていたのかもしれない。
バッグが見つかった所から半径5メートルの範囲を、潜員が集に調べた。
はく、わずかな物でも簡単には見つからなかった。さらに2の作業を続けた末、底からの骨の部が確認された。
すべてを収容するにはがかかった。いで散らばり、のへ沈んでいたからだ。
DNA鑑定の結果、骨は千鶴のものと致した。
13を経て、千鶴はようやく族のもとへ帰ることになった。
しかし鑑定によって、さらにな事実がらかになった。
首の骨に、に受けたと考えられる骨折の痕跡があった。
単純にため池へ落ちたことでじたものとは考えにくかった。
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