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消えた妻と13本のテープ

消えた妻と13本のテープ

秋燈りのしおり 完結 15

1997年10月、島根の山あいの町で、32歳の主婦・松本千鶴が同窓会へ向かったまま姿を消した。 夫は「昔の男と逃げたのではないか」と語り、届け出は3日遅れた。会場に千鶴が来ていたかどうかも証言は食い違い、唯一の手がかりだった防犯映像はすでに上書きされていた。 母に捨てられた娘として成長した栞。だが、千鶴を忘れられなかった人物がもう1人いた。かつての担任教師・川井は、毎年10月4日になると、存在しない住所からラジオ局へ同じ曲をリクエストし続けていた。 そして13年後、孤独死した川井の遺品から、1997年から2009年までの年号が書かれた13本のカセットテープが見つかる。 そこに残されていたのは、千鶴が消えた夜を知る男の、あまりにも遅すぎる告白だった。 同窓会の夜、千鶴は本当にどこへ向かったのか。なぜ元担任は13年間も沈黙したのか。 「母は私を捨てたのではない」――娘がその真実に辿り着くまでの、13年越しの記録。

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