"3万円を払った元タクシー運転手" 第11話
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完結第10話
「洗剤を入れた嫁」にされた私
45歳の私は、助産師として夜勤をこなしながら、夫と2人で静かに暮らしていた。 そんなある日、夫から義父の認知症を理由に、義両親との同居を頼まれる。家族のためならと受け入れた私だったが、同居が始まってから、義母の態度は少しずつ変わっていった。 夜勤明けに責められ、家事を押しつけられ、身に覚えのない悪口まで夫に吹き込まれる日々。それでも夫は、いつも義母の言葉だけを信じた。 やがて私は、義父の“認知症”にある違和感を覚える。 そしてある夜、義母はついに言い放った。 「食事に洗剤を入れたでしょう!」 その嘘を信じた夫は、私に「出ていけ」と告げる。 1か月後、私は離婚届を持って、もう一度あの家の玄関に立った。 その時、義家族が本当に恐れていたものが、ようやく明らかになる――。嫁姑|夫婦|裡の顔|真相1.5万字5 2 -
完結第20話
遺産は腐った倉庫だけ
父・正一を8年間介護した次男の浩司。しかし遺言で、兄の裕二には家、田畑、預金、車が渡され、浩司に残されたのは荒れ果てた倉庫と、4時20分で止まった腕時計だけだった。兄夫婦に家を追い出され、娘の大学入学金82万円さえ用意できない浩司。四十九日にも仏壇へ入れてもらえず、家族で倉庫に父を供養した時、作業台の奥にある西壁から不自然な音が響く。壁の中から現れた鉄扉と巨大な金庫。父が時計に隠した暗号を解いた時、兄が見下した遺産の本当の価値と、20年前から封じられていた家族の秘密が動き始める。親子関係|介護|金銭問題3.0万字5 250 -
完結第10話
仕送り10万円の行方
父が毎日お茶漬けばかり食べていると知り、美幸は胸がざわついた。 毎月10万円、父のために仕送りしているはずだった。けれど父は、不思議そうな顔でこう言う。 「仕送り? 俺は一円ももらってないぞ」 慌てて銀行へ確認しようとしたその瞬間、そばにいた夫・武志が青ざめ、ガタガタと震え出した。 消えていた毎月10万円。 父の口座ではない振込先。 そして、夫と姉が密かに会っていた理由。 ただの仕送りトラブルだと思っていた出来事は、やがて夫の失職、姉の借金、義母の裏切り、そして家族ぐるみの嘘へとつながっていく。 信じていた家族の本当の顔を知った時、美幸が選んだ答えとは――。夫婦|親不孝|孤獨|金銭問題1.5万字5 948 -
完結第11話
病院へ行かない黒い車
「健一が事故に遭ったの。危篤よ。すぐ病院へ向かいなさい!」 義母からの電話を受けた由美子は、夫の安否を案じ、家の前に用意されていた黒いハイヤーへ飛び乗った。 しかし車は、病院とはまったく違う方向へ走り出す。やがて連れて行かれたのは、電波も届かない山奥の古びた宿だった。 問い詰める由美子に、運転手は申し訳なさそうに告げる。 「すみません……指示どおりです」 夫の事故、義母の悲鳴、そして病院へ向かうはずだった車。すべては、由美子を家から遠ざけるために仕組まれた罠だった。 その裏で、夫と義母は何を終わらせようとしていたのか。 25年間、黙って耐えてきた妻が、たった一言から家族の嘘を暴き始める――。因果応報|夫婦|真相1.7万字5 303 -
完結第13話
離婚後に生まれた息子
10年間の不妊治療の末、「子供もできなかった」と姑に責められ、夫・健一から離婚を告げられた38歳の由美。ところが離婚から2週間後、最後に受けた治療が実っていたことが判明する。由美は悩んだ末、元夫には知らせず、実家で1人の男の子を出産した。それから1か月。離婚から10か月後のある日、玄関に現れたのは健一と、彼が再婚する28歳の美香だった。「来月、結婚式をするんだ」と招待状を差し出そうとした健一。しかし、由美の腕に抱かれた赤ん坊を見た瞬間、その笑顔が消える。「その子……まさか俺の?」。10年間「子供を産めない妻」と責められ続けた由美の人生が、そこから大きく動き始める。夫婦|真相|修羅場2.0万字5 4301 -
完結第10話
清掃員が書いた設計図
倒産寸前の小さな町工場に、1人の若い清掃員がいた。 佐藤ゆい、21歳。学歴は中卒。従業員たちからは名前で呼ばれることもなく、ただ雑用係として扱われていた。 そんなある日、大企業から依頼された精密部品がすべて不良品となり、工場は2000万円の違約金を突きつけられる。誰もが技術不足だと責められ、工場長の竹夫も廃業を覚悟しかけていた。 その時、ずっと黙っていたゆいが静かに口を開く。 「設計が間違っています」 中卒の清掃員が、大企業の研究所の図面に誤りがあると言い出した――。 誰も信じなかったその言葉が、やがて町工場の運命を大きく変えていく。履歴書には書けなかった彼女の本当の力とは。人生逆転|真相1.4万字5 359 -
完結第10話
預けた通帳が消えた日
六十七歳の山田静は、膝の手術費を用意するため、息子夫婦に預けていた通帳を返してほしいと頼んだ。 しかし嫁の美香は、薄く笑ってこう言った。 「お母さん、私たちにお金なんて預けましたっけ?」 夫と二人で魚屋を営み、三十年かけて貯めた老後の資金。息子を信じて渡した通帳も印鑑も、いつの間にか静の手元から消えていた。さらに息子の健一まで、母をかばうどころか「知らない」と目をそらす。 不安を抱えた静が耳にしたのは、預金を使い切ったあと、彼女を認知症扱いして施設へ入れようとする恐ろしい計画だった。 家族を信じ続けた母が、ようやく気づいた真実。 奪われたのはお金だけではなかった。 自分の人生そのものを取り戻すため、静は亡き夫との思い出が残る藤沢へ向かい、静かな反撃を始める――。怒り|親不孝|親子関係|介護|金銭問題1.5万字5 5 -
完結第11話
消えた神童、10年後の手紙
2001年秋、北陸の小さな町で、サッカーの才能を持つ10歳の少年・立花陸が、父・剛とともに突然姿を消した。 数日後、海辺の岸壁で見つかった白いバン。車内には父の作業服と、陸のスパイクが片方だけ残されていた。やがて町では、「父が息子を連れて海へ入ったのではないか」という噂が広がり、母のゆみ子は長い孤独と偏見の中で10年を過ごすことになる。 しかし、失踪から10年後。 ゆみ子のもとへ、ドイツから一通の手紙が届く。 そこに書かれていたのは、信じられない一文だった。 「私の名前は陸です。ドイツで暮らしています」 海に消えたはずの息子は、なぜ異国で生きていたのか。車に残された片方のスパイクは、本当に陸のものだったのか。そして、父・剛が最後に守ろうとしたものとは何だったのか。 10年前に見落とされた小さな違和感が、封じられていた事件の真相を少しずつ暴き出していく――。ミステリー|真相1.7万字5 126 -
完結第12話
消えた妻と13本のテープ
1997年10月、島根の山あいの町で、32歳の主婦・松本千鶴が同窓会へ向かったまま姿を消した。 夫は「昔の男と逃げたのではないか」と語り、届け出は3日遅れた。会場に千鶴が来ていたかどうかも証言は食い違い、唯一の手がかりだった防犯映像はすでに上書きされていた。 母に捨てられた娘として成長した栞。だが、千鶴を忘れられなかった人物がもう1人いた。かつての担任教師・川井は、毎年10月4日になると、存在しない住所からラジオ局へ同じ曲をリクエストし続けていた。 そして13年後、孤独死した川井の遺品から、1997年から2009年までの年号が書かれた13本のカセットテープが見つかる。 そこに残されていたのは、千鶴が消えた夜を知る男の、あまりにも遅すぎる告白だった。 同窓会の夜、千鶴は本当にどこへ向かったのか。なぜ元担任は13年間も沈黙したのか。 「母は私を捨てたのではない」――娘がその真実に辿り着くまでの、13年越しの記録。ミステリー|真相1.8万字5 2063 -
完結第10話
消えた嫁と浅すぎる墓
1993年正月、青森の山あいの村で、武田家の嫁・すみ子が墓参りの後に姿を消した。 夫は「家出した」と届け出たが、財布も行き先もはっきりせず、すみ子の消息はそのまま途絶えた。嫁姑の不仲、夫の無関心、そして雪深い村に残された小さな違和感――しかし当時、誰もそれを深く追おうとはしなかった。 それから7年後。 道路拡張工事で古い共同墓地を移すことになり、すでに亡くなっていた姑・松子の墓が掘り返される。ところが、棺のさらに下から見つかったのは、そこにあるはずのないもう一人の骨だった。 花柄の着物、頭に残された不自然な傷、そして7年前に「墓を深く掘らないで」と叫んだ娘の記憶。 正月の雪山で、武田家の女たちに何が起きたのか。 家族という名の密室に封じられていた真実が、7年越しに土の中から姿を現す――。ミステリー|真相1.5万字5 306