"財産は長男へ――8年間介護した次男に残されたのは、古びた倉庫一軒だけだった" 第5話
第7話 41件の着信
野は事務所の耐庫から、父と自分の印で封じられた赤い封筒を取りした。正から預かったのは3で、浩司が隠し庫を発見した、または90を過ぎても見つけられなかったにける約束だったという。
最初の類は、9の贈与契約だった。裕が正から2億円を受け取った事実を示す振込記録、贈与税の申告、本の受領までそろっている。
そのにあったのは、庭裁判所の審判だった。
〈申・武田裕。遺留分の放棄を許する〉
「兄さんは、相続の最取得分を自分で放棄していたんですか」
「2億円を受け取る条件として、別の弁護士から効果の説を受け、庭裁判所で本確認も受けています。から財産額をったという理由で、なかったことにはできません」
さらに、公正証遺言を作成したの映像も保されていた。画面のの正は氏名、付、財産の内容を正確に答え、医師は判断能力に問題がないと説している。公証からを問われた父は、旧倉庫とにある物を浩司へ渡すと、はっきりにした。
最に野がした青いファイルには、20の架空請求、6回分の送記録、裕の署名と実印がある3200万円の借用が収められていた。借用は放置されておらず、9にも裕自が元3100万円の残債を認め、確認へ署名している。
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父は裕を公に罰するためではなく、浩司の相続分へを伸ばしただけ事実で止めるために、これらを残していた。
野が資料を理していると、事務員が親族のグループメッセージを見せた。叔母の文子が、倉庫からのケースを運びす警備員の写真を投稿している。
〈浩司が古い倉庫から何か運びしていたけど、あれは何?〉
そのには、裕から〈今すぐ確認する〉と返信がついていた。直、浩司のスマートフォンが鳴った。
「倉庫から何を運びした」
挨拶もなく、裕の声がんできた。背では空港の案内放送が流れており、旅から戻る便を待っているらしい。
浩司は野の図で通話を録音し、額も保管所も答えなかった。倉庫との産は公正証遺言により自分が相続し、発見から移送まで弁護士ち会いの記録がある。それだけを伝えると、裕の声がくなった。
「いくらだ。介護に親父をだまして、倉庫を自分の物にしたんだろ」
「そう主張するなら、証拠をせ。こちらには遺言作成の映像も、医師の記録もある。今は野先を通してくれ」
「今夜そっちへく。倉庫の鍵を用しておけ」
「来ても渡さない」
「俺は男だぞ!」
「それは、の倉庫へ入っていい理由にはならない」
浩司は通話を切った。そのは裕、美咲、文子から着信とメッセージがなり、に仏壇へ入ることさえ拒んだ親族が、の気配をった途端に父のを語り始めた。
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翌朝6、着信は41件になっていた。裕から23件、美咲から11件、文子から7件。最には、裕から父の古い具箱を写した写真が届いていた。
〈倉庫の鍵はにもある。おがさないなら、俺が自分でける〉
その直、警備会社から話が入った。
「武田様、旧倉庫で登録の物を検しました。男女2が、鍵業者を伴っています」
第8話 今度は兄が鍵を返す番
浩司が倉庫へ着くと、錆びたシャッターのに裕と美咲がっていた。2とも旅用ののままで、元にはきなスーツケースがある。空港から自宅へ戻るより先に、ここへ来たのだ。
作業の横では、呼びされた鍵業者が困り果てていた。裕は父の具箱から見つけた古い鍵を見せ、自分が所者だと説したらしい。しかしの発見、倉庫の錠は警備会社によって交換されていた。警備員2が入をふさぎ、防犯カメラが部始終を記録している。
「浩司、鍵をせ」
裕は弟を見るなり、を差しした。遺言を読み終えたに、浩司を父のから追いしたと同じ言い方だった。
「さない。ここは俺が相続した倉庫だ」
「には親父の隠し財産があるんだろ。相続の俺には確認する権利がある」
美咲もスーツケースからをし、浩司へ詰め寄った。
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