"共通テストで950点を取った私より、880点だった妹だけを家族は祝った" 第3話
午817分の話
それから美空は、族ので学の話をしなくなった。正は諦めたとい込み、の面接まで勝に決めた。恵子は梨奈の居に送る器を選び、梨奈は「初任がたら先に炊飯器を買ってね」と美空へ商品ページを送りつけた。
美空は返事をしない代わりに、つずつ準備をめた。
担任の田奈緒には事を伝え、格通の原本を学で預かってもらった。しく自分だけが管理する座を作り、計表と現況確認の写真、1分42秒の録音をつの記録媒体に保した。
卒業式の翌、田は職員で封筒を返しながら、「黙って消えることと、自分を守って発することは違う」と言った。緊急連絡先、移経、元の現まで緒に確認し、困ったときに相談できる窓もにいてくれた。美空はそのを格通とね、初めて誰かが自分のを、自分自のためのものとして扱ってくれた気がした。
そして3旬、正の勤務先の事部、鈴雅彦宛てに封筒を送った。配達は41の午を指定した。
には、防学へ入すること、正が提した類に事実と異なる記載があること、本確認欄の署名をした覚えがないことだけをいた。な訴えはも加えず、格通の写しと証拠の覧を添えた。
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入の朝、美空は午512分にをた。荷物はさなキャリーケースとリュックつ。机のにはの鍵と、《今から自分のをきます。捜さないでください》といた便箋を残した。
まだ暗い宅を駅へ向かうと、たい空気が頬に触れた。怖くないわけではない。暮らしたからでるという実が、歩くたびに首へ絡みついた。それでも、引き返したいとはわなかった。
神奈川のをくぐったころには、から届くにの匂いが混じっていた。受付では、同じように緊張した表の入たちが類を抱えて並んでいる。美空は格通と分証を差しし、自分の名が名簿にあることを確かめた。
広い敷の奥には淡いの桜が咲き、濃紺の制を着た級が迷う入へ次々と声をかけていた。美空のに並ぶ女性は、きな鞄を抱えたまま何度も呼吸している。緊張しているのは自分だけではない。その当たりの事実が、固くなっていた肩をしだけ軽くした。
「神美空さん、入に変更はありませんね」
「はい。ありません」
その返事をした瞬、胸の奥で何かが切り替わった。誰かに許された未来ではなく、自分で選び取った今が始まったのだ。
同じころ、正の会社では鈴が封筒をいていた。
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添付された格通と現況確認を見比べ、本確認欄の署名に赤い付箋を貼る。社内記録を確認すると、正はその申告を根拠に族当の継続を申請していた。
午817分、正のスマートフォンが鳴った。
「娘さんの美空さんから、今朝、防学へ入するとの申告が届きました」
話で事説を求められた正は、肩にを寄せると、震える指で自宅へかけた。恵子が美空の空になった部を見つけ、机に残された鍵を握りしめている。
「あの子、本当にいないわ。防学って、どういうことなの?」
正は答えず、美空へ何度も話をかけた。
受付を終えた美空のスマートフォンが、掌ので震えた。画面に表示された《父》の文字をしばらく見つめてから、彼女は度だけ通話ボタンを押した。
「美空、今どこだ。すぐに戻れ!」
周囲のざわめきので、美空は背筋を伸ばした。
「私は今、防学へ入しました。今から特別職国公務員です」
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