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"午前2時、義母に追いやられた離れ" 第11話

30万円の依頼記録

翌朝、由たちは警察署へ呼ばれた。取調とは別のさな面談には、昨夜押収された透なファイルと、印刷されたメッセージ記録が並べられていた。

3の男は取り調べで同じ内容を認めていた。達也から「嫁を怖がらせ、類へ実印を押させてほしい」と頼まれ、成功すれば110万円、計30万円を受け取る約束だったという。

うち1は、窓を割るところまでやるとは聞いていなかったと供述した。だが、3とも顔を隠す子と袋を準備し、由が眠っているを選んで敷へ入っている。偶然の論だったという千鶴子の説は、準備された具だけでも崩れていた。

担当刑事が1枚目の記録を指した。

《午2にはれで寝ている》

送信者は千鶴子だった。次の画面には、れの裏、由が隠れた便所、実印を入れたバッグの特徴まで記されている。

「この写真にも見覚えがありますか」

刑事が示したのは、千鶴子のスマートフォンから送られた印鑑ケースの写真だった。由が以、自のクローゼットに保管していた物である。らないに部へ入り、撮していたのだ。

さらに、れから800メートルれたコンビニの防犯カメラには、午132分、達也が3へ透なファイルを渡す姿が映っていた。達也が現へ来なかったことも、もう逃げにはならない。

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ファイルを渡した、達也は自分ので反対方向へっていた。母親と3の男を庭に残し、自分だけは事件かられた所にいるつもりだったのだ。その映像を見た誠司は、弟の計画性を突きつけられ、目を閉じた。

聴取を終えて廊ると、千鶴子が子からがった。化粧のない顔は晩で老け込み、由を見るなり両わせた。

「由さん、お願い。被害届を取りげて。男たちが勝に乱暴なことをしただけなの」

「午2に私がれで寝ていると伝えたのは、お義母さんですね」

し怖がらせれば、話を聞くとったのよ。怪をさせるつもりなんてなかったわ」

の脳裏に、扉を蹴る音と割れたガラスがよみがえった。怪をしなかったのは、計画が全だったからではない。富子が危険を冒してり、由が暗へ逃げたからだ。

「お義母さんが指定したれには、助けを呼んでも母へ届かない距がありました。裏から男たちを入れ、私の印鑑の写真まで渡している。それでも、ただ話をしたかったと言うんですか」

千鶴子は由を見ず、廊き交う警察官へ怯えた線を向けた。配しているのは由の傷ではなく、自分がどこまで調べられるかだけだった。

「私が逃げ遅れていたら、あの部で何が起きていたといますか」

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千鶴子は答えず、誠司の袖をつかんだ。

「政治、あなたから言って。族から犯罪者をしたいの?」

誠司は母のを静かにした。

「犯罪者にするのは由じゃない。自分でやったことが、そういう結果をむんだ」

は担当刑事へ向き直り、スマートフォンを差しした。

「撤回しません。それから、庭で録音した26秒の音声を正式に提します」

された音声には、千鶴子の声がはっきり残っていた。

『由さんにそんな度胸はないわ。族のためなら自分がする女だもの』

そして最に、事件の目を示す言が続く。

『あの子が遺言のことをに、全部終わらせるのよ』

千鶴子は途で止めようとスマートフォンへを伸ばしたが、刑事が静かに制した。自分の声が証拠として記録される、彼女は子の背へ沈み込み、何度も首を横に振った。

音声が止まると、面談だけでなく廊まで静まり返った。

千鶴子が振りかざしてきた「族」という言葉は、26秒の録音によって、由を支配するための具だったと証された。

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