夫・健太郎は、妻の栞が父から相続した長野の果樹園を任され、週5日を山で過ごしていた。ある日、「東京へ出荷に行く」と聞いていた栞は、昼食を届けようと果樹園へ向かう。ところが山の奥で見つけたのは、知らない平屋と2人の幼い子ども、そして健太郎を「パパ」と呼ぶ声だった。そこには、健太郎と6年間家族として暮らしてきたという女性までいた。さらに調べると、秘密の家や東京のマンションに使われた金は、栞自身が果樹園へ補填した1300万円と会社資金4700万円、合計6000万円と一致する。そして夫が栞と結婚した本当の理由まで明らかになる。「あなたは、健太郎の借金を返すために選ばれた人でしょう」――。