"「母さん、車に乗れないから来なくていい」――家族に捨てられた母と消えた1200万円" 第4話
しない診療記録
ケアホームの担当者に、私には息子しかおらず、入所にも体験利用にも同していないと伝えると、声の調子が変わった。
施設側が受け取っていたのは正式な入所契約ではなく、族から申し込まれた1泊2の体験利用申込だった。申込者欄には恵理の名があり、本の確認は「認症のため困難」と記載されている。私は予約の取り消しと資料の保を求め、今の連絡は佐藤弁護士を通すよう伝えた。
続いて役所の介護保険担当へ話すると、私名義の申請は受理されていたものの、認定調査も主治医への正式な見照会もまだわれていなかった。窓では恵理が私の娘を名乗り、「本はので待っている」と説したという。
「私は今、野県の自宅にいます。自分で話をかけ、活も財産管理もできます。申請の署名も私のものではありません」
担当者は本確認の、事を記録して続きを保留し、面での申方法を案内してくれた。族が類をしただけで、私が突然“認症の老”になったわけではない。けれど、私が気づかずにいれば、嘘がしずつ公な記録のような顔を持ち始めていたかもしれない。
午、私は佐藤に付き添われ、以から受診していた田内の内科へ向かった。
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診察では付や所、簡単な計算、言葉の記憶などを確認され、その、医師はこれまでの診療記録も見直した。
「現点で、認能のらかなは認められません。なくとも、この見にあるような状態ではありませんよ」
その言葉を聞いた瞬、私は堵より先に悔しさを覚えた。5、族の事とを管理してきたが、本のらないところで“何も理解できない”にき換えられていたのだ。
医師は検査結果と診療記録に基づく文を作成してくれた。私は封筒を胸に抱え、病院の玄関をた。の差しはかったが、朝よりも空気がるくじられた。
午、佐藤の事務所から青葉メンタルクリニックへ正式に照会すると、さらに決定な返答が届いた。1214を含め、私の名、、所に致する診療記録はしない。見に記載された管理番号も、同院が使用している番号形式とは違っていた。
つまり、誰かが別を診察へ連れていったのではない。最初から、診察そのものがなかったのだ。
「この文は、介護申請を通すためというより、施設や親族に林さんが判断できないだとわせるために作られた能性があります」
佐藤の説を聞きながら、私は透なファイルに4つ目の証拠を収めた。施設申込、役所の受付記録、偽造された見、そして本物の検査結果。
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彼らが私を消すためについた嘘が、そのまま私を守る証拠へ変わり始めていた。
夕方、登記を確認していた司法士から佐藤へ連絡が入った。佐藤は数分黙って話を聞いた、私が持ってきた5の1200万円の振込控えをもう度に取った。
「林さん、確認したいことがあります。尚弥さんは、この1200万円を京ののに使ったと言ったんですね」
「はい。恵理さんから指定された座へ、全額振り込みました」
佐藤は宅の売買資料と振込控えを並べ、額と付を指で追った。その表から、先ほどまでの穏やかさが消えていた。
「この送、宅購入の精算記録に入っていません」
私は子の背からゆっくり体を起こした。
「では、私の1200万円はどこへったんですか」
佐藤はすぐには答えず、宅購入の精算にあるの欄を私の方へ向けた。
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