みかん小説
本棚
みかん小説 / 嫁姑 / 「母さん、車に乗れないから来なくていい」――家族に捨てられた母と消えた1200万円
「母さん、車に乗れないから来なくていい」――家族に捨てられた母と消えた1200万円

「母さん、車に乗れないから来なくていい」――家族に捨てられた母と消えた1200万円

悅子 完結 3

正月10日、72歳の春子は息子一家と焼肉へ行くはずだった。ところが玄関で息子から「母さん、車に乗れないから来なくていい」と告げられる。5人乗りの車には、荷物をどかせば十分座れる場所があった。それでも春子は何も言わず、家族を見送る。直後、共有カレンダーに表示された翌日の予定を見て、表情が変わった。《母・施設送迎》《通帳と実印を確認。拒否したら部屋を探す》。さらに、本人の知らない老人ホームの資料、偽造された介護申請書、1860万円と査定された自分名義のマンションまで見つかる。春子は通帳、実印、権利証を鞄に詰め、その夜、新幹線の指定席12Aに座った。家族が母を“病人”に仕立てて財産を動かそうとしていた計画が、そこから崩れ始める。

今すぐ読む

おすすめ作品