"「母さん、車に乗れないから来なくていい」――家族に捨てられた母と消えた1200万円" 第6話
1200万円の送先
翌朝、の窓で再発された振込記録を受け取った。5、私が1200万円を送った座の名義は、株式会社桜産。恵理の父・隆が代表を務める会社だった。
「これは宅会社の預かり座ではありません。桜産の法座へ、直接振り込まれています」
佐藤弁護士はそう言って、振込記録とに見つけた請求を並べた。請求の付は宅の引き渡しより18で、名目は「宅取得支援業務式」。しかし、売買契約に記された仲介会社は別の業者であり、桜産との業務委託契約も報告もしなかった。
しかも桜産の事務所は田にあり、購入したは京郊にある。くれた方の会社が1200万円もの報酬を受け取りながら、契約にも事項説にも度も登していない。佐藤は赤いペンで、振込、融資実、引き渡しを順番に結んだ。
私は振込のことをいした。恵理からを渡され、「宅会社が指定した座です。今に入れないと契約ににいません」と急かされた。振込先に会社名が入っているのを見ても、の購入に関わる業者なのだと信じて疑わなかった。
「尚弥は、このことをっていたのでしょうか」
「今の資料だけでは断定できません。ただ、なくとも宅ローンが4680万円全額で実されたことは、契約者である尚弥さんも署名に確認しているはずです」
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息子がのき先までっていたのか、それとも恵理たちに利用されたのかは分からない。けれど、母親から1200万円を受け取った、借入額が減っていないことに5も疑問を持たなかった。その無関だけでも、私には分残酷だった。
私はそので、桜産に説と返還を求める続を佐藤へ依頼した。今までの私なら、尚弥のが悪くなるのではないかと迷っただろう。しかし、彼は夜、私の全より義父の会社への迷惑を先ににした。もう息子の体面を守るために、自分の財産を差しすつもりはなかった。
佐藤は、返還請求に備えて資料を保全し、桜産へ正式な照会と通をすと説した。振込記録だけで直ちにすべてが決まるわけではないが、請求、宅の精算、尚弥の留守番話を組みわせれば、説を求める根拠は揃っている。
「もう1つ、こちらを見てください」
佐藤がいたのは、私が京のから持ちした田のマンションの査定だった。査定額は1860万円。その作成会社も桜産で、備考欄にはさく「所者施設入所、任売却予定」と記されていた。
1200万円を受け取った会社が、今度は私の残った財産まで売ろうとしている。
族は京のを売り、その代で都のタワーマンションへ移る計画をてていた。
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だが、4680万円で組んだ宅ローンは、5返済した今も約4380万円残っている。そこで必になったのが、私のマンションを売った1860万円だったのだ。
京のの査定額はおよそ4900万円。仲介数料や残債の精算を考えれば、元に残るのは400万円にも届かない。恵理が眺めていたタワーマンションの資料には、申込として2000万円い自己資が必だとかれていた。その1600万円以のを、私の財産で埋めるつもりだったのだろう。
机のに並んだ数字を計すると、3060万円になる。
私を施設へ移し、実印をに入れ、すでに奪った1200万円に加えて、残った1860万円まで自分たちのみ替えに使う。それが、尚弥たちの描いていた計画だった。
佐藤は査定の裏に挟まっていたいを、傷つけないよう慎に取りした。
「売却のための委任状です。しかも、所者欄にはもう林さんの名がかれています」
そこにあった署名は、私の字ではなかった。
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