みかん小説
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"その家、私のです" 第5話

残った分を修司へ貸して」

「返せる見込みのないおは貸しません」

「息子が職を失っても平気なの?」

「会社の問題を隠して婚し、私のを使おうとしたです。私が責任を負う問題ではありません」

千鶴子はそこで初めて、婚理由を詳しくらされていなかったと認めた。修司からは、絵里がになりたがり、も母子へ譲るつもりだと聞いていたという。

「それでも、あなたは私の荷物を箱に入れました」

「修司を信じただけよ」

「信じたことと、私に確認しなかったことは別です」

千鶴子は泣き、「寄りをに迷わせるのね」と言った。絵里は、域包括支援センターが見つけた齢者向け宅の資料を渡した。で払える物件がつあり、通院先もきく変わらない。

「私は転居先を契約できません。でも、相談先は用しました」

千鶴子は資料を受け取らず、ベンチへ置いて帰った。絵里は追いかけなかった。

会社へ戻ると、司の佐久から会議へ呼ばれた。私活の問題が職へ持ち込まれたことを責められるとったが、「しばらく受付に事を共する。困ったら総務へ言って」と告げられた。

絵里は初めて、婚の事し話した。佐久は、半から設される購買管理チームの主任候補を探していると言った。絵里は正確だが、庭の事で残業や研修を断り続けていたため候補かられていた。

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「別居したから昇させるわけではない。今、研修へ参加するがあるなら選考対象に戻せる」

絵里は即答せず、仕事内容と責任、与を聞いた。主任当は万円。張は回。楽にが入る話ではないが、積みげた実務が初めて形になる会だった。

その夜、絵里は研修へ申し込んだ。に暮らしが良くなるのは、夫のを奪うからではない。夫と義母のために使っていたを、自分の仕事と活へ戻すからだった。

研修は毎週曜の午からまで、続いた。最初の講義で若い社員が専用語を使う、絵里は自分だけ遅れているようにじた。帰宅はくになり、翌朝も通常通り勤する。

それでも以曜は、千鶴子を科へ連れてき、帰宅に修司の領収理していた。同じ疲労でも、自分が選んだ学びの疲れは違った。

研修課題では仕入先ごとの納期遅延を分析した。絵里はの実務経験から、数字だけでは見えない現の事を補し、若い社員から相談されるようになった。佐久は「あなたは補助役がすぎた。決める側の練習をしてください」と言った。

ある晩、絵里は受講者と駅でラーメンをべた。誰にも夕の遅れを謝らなくていい。千円に満たない事なのに、修司から渡されたホテル代より価値があるとえた。

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方、千鶴子は絵里の会社へ来た件を修司へ話していなかった。息子がを担保にしようとしたとれば、自分まで騙されていたと認めることになる。彼女もまた、正しい母親であるために都の悪い部分を見ないようにしていた。

修司の会社は部の税理士を入れて帳簿を調べた。使途すべてが修司の横領だったわけではない。社の指示で支払いを先送りし、複数の管理職が穴埋めを繰り返した結果だった。

修司には格と自宅待が命じられた。会社は倒産せず、関と返済計画を組み直したが、修司が営業成績を守るために架空の受注見込みを計した責任は残った。

改装費の真相もらかになった。実際に修司が払ったのは百万円。残る百万円は会社が社員向け施例として広告費処理していた。調した万円の領収は、修司が古い見積を基に自分で作り直したものだった。

修司は偽造の図を否定し、「に使われた価値は同じだ」と主張した。会社は広告費処理分の返還を求めなかったが、調委員は実負担と類の信用性を分けて考える必があると伝えた。

絵里は百万円全額を返すことにも応じなかった。改装からが経ち、台所や設備は夫婦と千鶴子も使った。

弁護士は使用期や現価値を踏まえ、定額を解決に含める案をした。

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