"裏口に回された仕立て屋" 第3話
責任だけは既に佐子のところへ来ているのに、名と報酬は別の所にあった。
佐子はすぐ弁護士へかなかった。まず無料の事業相談窓で、の約束、制作物の権利、ネット掲載について聞いた。
担当者は、装そのものの所、デザイン、写真利用、制作報酬は別の問題だと説した。佐子が縫った事実だけで、写真をすべて止められるとは限らない。反対に、族だから無償だったと自に決まるわけでもない。
必なのは、誰が何を頼み、どの費用を負担し、保護者へどう説したかを理することだった。
佐子は理奈とのメッセージを印刷した。《着ずつ縫ってほしい》《材料はて替えて》《発表会にまとめて払う》。賃の額は決めていないが、なくとも材料費を返す約束は残っていた。
ダンス教へは責める話をせず、装制作の契約内容を確認したいと申した。責任者の崎は戸惑いながら面談に応じた。
崎によると、教は理奈のへ括発注したわけではない。各庭が理奈へ直接代を払い、教はサイズ確認と受け渡し所を提供しただけだという。
「藤原さんが制作責任者として経験豊富なお母様を置くと聞いて、していました」
「私と話したことはありませんね」
崎は類棚から《装制作協力確認》をした。
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納期、補修対応、事故の連絡先がかれ、制作責任者欄には《藤原佐子》と署名されている。
朱肉で押したような印もあった。しかし線は自然に滑らかで、佐子の印鑑よりわずかにさい。
「これは私がいたものではありません」
崎の顔が変わった。「理奈さんから、族内で確認済みだと……」
原本とわれた類はではなく、PDFを印刷したものだった。子メールで提され、署名と印は画像として貼り付けられている。
誰が画像を作ったかは、このだけでは分からない。理奈が偽造したと決めつけることもできなかった。
崎は補助申請にも同じ確認が添付されていると話した。の女性創業支援制度へ、発表会を実績として申請しているという。まだ審査だが、採択されれば百万円の補助対象になる。
その、佐子のスマートフォンに拓也から話が入った。
「母さん、教へ何を言った? 理奈の申請が止まったんだけど」
「私の署名がある確認を見たわ。誰が作ったの?」
数秒の沈黙の、拓也はい声で答えた。
「署名を入れたのは俺だよ。母さんが昔くれた賀状から取り込んだ。どうせ最には認めるとったから」
佐子はすぐに返事をしなかった。拓也は沈黙に耐えられず、確認は教をさせるための形式だけで、を盗むためではないと言いした。
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「形式だけなら、なぜ私に署名を頼まなかったの」
「細かい条件を言いすとったからだよ。納期とか、材料費とか。理奈は申請の締切が迫ってた」
それこそ署名が必な理由だった。本が読めば止める類を、本へ見せずに同済みとした。
佐子は話を切り、発信刻と会話内容をノートへいた。録音がなくても、直の記録にはがあると相談員から聞いていた。拓也へは、《今、あなたが署名画像を作ったと説したことを確認します》とメッセージを送った。
拓也は《分かった。俺がやった》と返信した。で言い逃れないためか、く話を終わらせたかったのかは分からない。
崎は教側のメール履歴を確認した。最初に届いた確認には署名欄が空いており、教が本確認を求めた、署名画像入りのPDFが届いていた。送信者は理奈だが、添付ファイルの作成者報には拓也のパソコン名が残っていた。
それでも崎は、自分たちに責任がないとは言わなかった。制作責任者の話番号が理奈と同じだったのに、佐子本へ度も連絡しなかった。発表会をにわせたい気持ちが、確認を形式にしたと認めた。
佐子は確認を持ち帰らず、教に原データを保するよう頼んだ。族が作った偽の署名をに入れた瞬に勝ったのではない。
これから何を訂正し、誰へ説し、子どもをどう守るかを決めなければならなかった。
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