"帰国した僕を待っていたボロ家" 第4話
勇気のも、おもちゃも、学用品もない。苗が使っていた化粧品も、着の着さえ残されていなかった。の部も確認したが、の活の痕跡だけが自然なほどきれいに消えていた。
階段をりる途、健は壁のでを止めた。7、自分がアメリカへ発する直にで撮った族写真を掛けていた所だった。位置は自分で釘を打ったので、今でもはっきり覚えている。
そこには、らない景画が掛かっていた。
庭へると、さらにもうつ気づいた。庫にめられているい乗用は、以苗が使っていたものと同じナンバーだった。ちょうど買い物へようとした美紀がその鍵を持っていたため、健は軽い調子で尋ねた。
「義姉さん、その、苗のじゃなかったですか?」
美紀は瞬目を見いたが、すぐに笑った。
「そうだったかしら。最ほとんど使わないから、私が借りているだけよ」
健は「そうですか」と答え、それ以何も言わなかった。
しかし、そのの夕方になっても苗と勇気は戻らなかった。夕の席でよしえも達也もの居所を説しようとせず、アメリカでの暮らしやの内装の話ばかりを続けた。健は笑って相槌を打ちながら、ので違をつずつ並べていった。
妻子の荷物がない。
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写真が消えている。
苗のを美紀が使っている。
携帯話をかけさせたがらない。
そして、誰もの居所を具体に言わない。
その夜、客へ入った健は、族が眠りにつくのを待って苗の番号へ話をかけた。
い呼びし音すら鳴らなかった。
「おかけになった話番号は、現使われておりません」
械な声を聞いた瞬、健の背をたいものがった。
初めて彼は理解した。
妻と息子が、今たまたましているのではない。
ずっとから、このにはんでいない。
翌朝、健は誰よりもく起きた。の裏を歩くと、以は雑ばかりだった所に池や植がえられ、物干しにはよしえと兄夫婦のだけが揺れている。玄関の靴箱にも学の靴はなく、のどこを探しても勇気が暮らしている証拠はつもなかった。
朝の、健は「久しぶりに所を歩いてくる」と言ってをた。昔からるたちは帰国をんだものの、苗の名をした途端に目をそらし、何かを言いかけてを閉ざすまでいた。その反応を見て、健は自分だけがらされていない来事があると確信した。
向かったのは、子供の頃から健を孫のようにがってくれた文のだった。文は庭で野菜を理していたが、健の姿を見ると驚いてを止め、苗と勇気に会っていないと聞くなり表を曇らせた。
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に持っていた青菜が面へ落ちたことにも気づかなかった。
「健ちゃん……では、まだ何も聞かされていないのかい」
健は喉の奥が締めつけられるのをじた。文に勧められ、軒の古い子へ座ったが、されたにはをつける気になれなかった。文はいためらった、「もう、あんたがるべきなんだろうね」と話し始めた。
来事が起きたのは数かだった。しいがほぼ完成し、が暮らし始めてもない頃、美紀が突然「寝に保管していた2000万円がなくなった」と騒ぎしたという。将来商売を始めるために貯めた現だと主張し、の引きしをけ、やがて疑いの矛先を苗へ向けた。
その帯、くにいたのが苗だったというだけの理由だった。
苗は盗んでいないと否定し、自分から警察へ通報しようと提案した。現が本当に盗まれたのなら、指紋でも防犯カメラでも調べてもらえばいいし、自分の持ち物を確認されても構わないと言った。ところが美紀は、警察という言葉を聞いた途端に激しく反対した。
「族のことを警察汰にして、所に恥をさらすつもりなのかって騒いだんだよ。よしえさんまで、美紀さんの言うことに同調してね」
健は何も言わなかった。膝のに置いたの指が、ゆっくりと握られていった。
文によれば、よしえは証拠を確認するから苗を疑ったという。
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