"帰国したら、夫に双子がいた" 第5話
奈はすぐに否定しなかった。
私はそれ以追及せず、席をった。彼女のがらかにきくなっていることが分かったからだ。は隠していることがある、相が何をっているのか分からない状態に最も耐えられない。
カフェをて15分ほどした頃、さんから話が入った。
「計座の方、ざっと見た。っていたより額がきい。ご主から川原奈さんへの送だけで、確認できた範囲でも700万円を超えている」
私は歩の端でを止めた。
「それから、奈さん名義のマンション。の部に、君が夫婦の計へ入れた資が使われている能性がある。もちろん今の段階で全部取り戻せるなんて断定はしないが、清算の対象として調査する価値はある」
「分かりました」
話を切ると、すぐに今度はらない番号からメッセージが届いた。
〈瀬千里様。京子様が今夜、お会いしたいと申しております。午7、瀬本宅へお越しいただけますでしょうか〉
京子。
修平の母親だった。
結婚して5、義母の京子が私を気に入ったことは度もなかった。私が仕事を続けることにも、張がいことにも、「女が男よりへ過ぎるものではない」と何度も嫌を言われてきた。
そんな女性が、婚を決めた私をわざわざ呼びしている。
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私はしばらく画面を眺めた。
そして初めて、この来事ので、奈について私より先に何かをっていたがいるのではないかとった。
瀬の本宅は、都からしれた丘のにあった。私は結婚してから何度もそのを訪れてきたが、をくぐるたびに試験を受けに来たような緊張を覚えた。料理、装、仕事、親戚への挨拶まで、京子は必ず何かつ私の欠点を見つけた。
茶へ通されると、京子は紺の着物姿で待っていた。髪はいつものように筋の乱れもなく、私が座るまでほとんど表を変えなかった。しかし湯みへ線を落とした、なことを言った。
「痩せたわね」
私は返事に困った。京子が私の体調を気遣うような言葉をにしたのは、結婚以来初めてだった。
「修平と奈さんのこと、どこまでっているの?」
私は空港で聞いた内容をそのまま説した。奈が双子を妊娠しており、7ヶいと話していること。修平が子供の誕までは婚を待ってほしいと考えていること。そして私自はすでに弁護士へ相談し、婚のを変えるつもりがないこと。
京子は最まで遮らなかった。
「婚するのね」
「はい」
「未練はないの?」
私はし考えてから答えた。「未練があったは終わりました」と。
京子は湯みを置き、しばらく窓のを見ていた。
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私にとって理解しにくい女性だったが、そのの彼女が修平を守るためだけに私を呼んだのではないことは、なくともじ取れた。
「奈さんのお腹の子が、本当に修平の子なのか疑っている?」
私は京子の顔を見た。
「なぜそううんですか」
「あなたが空港から帰ってすぐ弁護士に相談したと聞いたからよ。あなたはだけでするじゃない。それに、奈さんがあなたへエコー写真を送りつけたことも修平から聞いた」
私は正直に答えた。「妊娠期の説にし違があります。でも、それだけで結論をすつもりはありません」。
京子は初めて私の顔をまっすぐ見た。
「私も同じよ」
その言で、茶の空気が変わった。
京子はちがり、棚の引きしからさなボイスレコーダーを取りした。それを私のへ置きながら、「3ヶのものよ」と言った。
「誰の声ですか」
「奈さん」
私はわず背筋を伸ばした。
京子によれば、奈は3ヶ、で本宅を訪れたという。私がまだヨーロッパにいた期だ。彼女は泣きながら「修平さんの子を妊娠した」と告げ、子供がまれたは瀬として正式に認してほしいと頼んだらしい。
「私は追い返したわ」
それはいかにも京子らしい対応だった。
「でも、どうして録音まで?」
「話し方が気に入らなかったのよ」
京子は淡々としていた。奈は「何も求めない」と言いながら、瀬の株式の相続、子供の姓、認したの活費について妙に具体な質問をしたという。
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