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"消印は失踪の3日後" 第8話

という46歳の女性が町病院でくなっていた。元を引き受けたのは、同居の佐々恵という女性だった。

齢も顔写真も、真紀と致した。

佐々恵はそのも同じ町にみ、産物加で働いていた。

それが岸絵里の現の名だった。

は1の終わりにへ向かった。

空港から列とバスを乗り継ぎ、沿いの町へ着いたころには、が傾き始めていた。の両側には除されたが壁のように積まれ、からが吹いていた。

岸絵里は、港くのさな平で暮らしていた。

玄関に現れた女性は54歳になっていた。し引きずり、戸の柱にを添えて拓を見つめた。

沢拓さんですね」

絵里は驚かなかった。旧郵便局から証拠が見つかったという報を見て、いつか拓が来ると考えていたという。

には古い油ストーブがあり、そのでやかんが音をてていた。棚には真紀と絵里が並んだ写真が数枚飾られていた。

最もしい写真ので、真紀はい毛糸の子をかぶっていた。拓の記憶にある34歳の母よりを取り、頰も痩せていたが、笑うときに目尻ががる癖は変わっていなかった。

「母は、どんなふうに暮らしていたんですか」

が尋ねると、絵里は温かい茶をし、静かに話し始めた。

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19961121、真紀は礼拝から樺園へ入り、事務に閉じ込められていた絵里を見つけた。施設たちが裏で待ち構えていることをり、2の通を使って脱した。

真紀は狭い通腕を切り、絵里は梯子からを滑らせた。それでもを歩き、無駅から列に乗った。

翌朝、聞社を訪れたものの、資料が分だとして相にされなかった。県警へ向かおうとしたところ、駅峰町の警察官を見かけた。

その警察官は、樺園の施設と頻繁に酒をんでいた物だった。

2は警察内部にも報が漏れていると考え、逃げることを選んだ。

「どうして、もっときな聞社や弁護士を頼らなかったんですか」

「今なら、そうするべきだったといます。でも私たちは、誰が相側なのか分からなくなっていました」

、絵里は29歳で、幼いころに両親をくしていた。樺園で働き始めたのも、み込みの職を必としていたからだった。

正な類を作らされていると気づいたときには、すでに絵里自の印鑑がくの帳簿に押されていた。告発すれば主犯として扱われると脅され、も制限された。

真紀だけが、絵里の言葉を信じた。

2は富県の旅館でみ込みの仕事をし、その野、潟と移った。偽名を使ったのは、岐親子が者の分を利用してを捜す仕組みを持っているとっていたためだった。

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「母は、私に会いたいと言っていましたか」

「毎ではありません。にすると耐えられなくなるから、話さないようにしていたんだといます。でも、末になると必ず葉いていました」

真紀は差に、樺園で名を使われた者の氏名をいた。拓になったとき、そこから異常に気づく能性を残すためだった。

文章を文だけにしたのは、詳しくけば拓がすぐに母を捜し始め、危険に巻き込まれると恐れたからだった。

「母は、どうして帰らなかったんですか」

が最も聞きたかった質問だった。

絵里は、湯みを見つめていた。

「最初の数は、本当に危険だったからです。でも、そのあとについて、私は真紀さんを正当化したくありません」

2001ごろには、樺園の旧施設くなり、町役にいた息子も別の県へ移っていた。真紀が拓へ連絡する会はあった。

絵里も何度か、族へらせるべきだと勧めた。

しかし真紀は、信吾が失踪現を偽装したことまでらかになれば、拓活が壊れると言って拒んだ。また、8歳の息子を置いた自分が今さら母親として受け入れられるのか、怖がっていた。

「守るためだけではなかったんですね」

「はい。真紀さんは会いたかった。でも、拓さんに拒絶されるのが怖かったんです。

帰れない理由を、危険や証拠のせいにしているうちに、がたちすぎてしまった」

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