"離婚後、義母のカードを止めました" 第6話
結婚してから度勉を断したものの、健と子に見される活ので再び机へ向かった。次試験に受かったも、最終試験を通ったも、番驚いたのは自分だった。
資格取得は、以勤めていた事務所の紹介で企業の内部統制や正調査補助を請け負うようになった。表向きは自宅でパソコンを使っているだけだったため、健は最まで「遣い稼ぎ」としかっていなかった。
私も訂正しなかった。
なぜなら、途から気づいたからだ。
彼は私が何者であるかに興がない。
自分よりであることだけを求めている。
藤原先は央商事への返信内容を確認し、午の面談へ同席してくれることになった。
本社の応接で待っていたのは、法務部と内部監査だった。
「突然お呼びてして申し訳ありません」
内部監査の川という男性がをげた。
「実は3の件について、しい証拠がてきました」
テーブルに数枚の資料が並べられた。
健が経理部にいた当、部の注費が特定の会社へ集していた。その会社は実態がほとんどなく、入の資が別の複数座へ移されている。
当、会社も正を疑った。
しかし健は「司の指示で処理しただけ」と主張し、決定な証拠がないまま懲戒解雇となった。
広告
「ところが先、古いバックアップサーバーから削除済みのメールデータが復元されたんです」
川さんが通の印刷物を差しした。
私は差を見て息を止めた。
《島常務》
央商事の現ナンバー2。
メールには、健へ特定の注先を使うよう指示する文面が残っていた。
さらに別のメールでは、売実績を増しするため架空の取引を作る相談までしている。
「健さんだけではなかった?」
私が尋ねると、川さんは頷いた。
「おそらく森氏は実役のです」
それなら3、彼があれほど簡単に会社を辞めた理由も説できた。
自分の罪ではないから、会社もく追及できないと踏んでいたのだろう。
「森さん」
法務部が私を見た。
「お聞きしにくいことですが、ご自宅にご主が当使っていたパソコンや付け媒体は残っていませんか?」
私は考えた。
そして、昨夜片付けたクローゼットをいした。
健が「絶対に捨てるな」と言っていた古いノートパソコン。
3、源すら入れていないとっていた。
「あったといます」
その瞬、胸ので何かがつながった。
健が昨夜、何よりも先に「俺の類を見ただろ」と聞いた理由。
彼はより先に、証拠を恐れていたのだ。
そのの夕方、私は藤原先と緒にマンションへ戻った。健の私物には勝に触れず、本または代理を通して返却する予定だったが、央商事から正式な協力請がたため、弁護士ち会いで該当器を確認することになった。
広告
クローゼットの奥に、黒いノートパソコンがあった。
充器を接続し、源ボタンを押す。
しばらくすると、古いWindowsの起画面が表示された。
ログインにはパスワードが必だった。
「無理にけない方がいいでしょうね」
藤原先が言った。
私も同した。
証拠になる能性があるものへ、所者以が用にアクセスするべきではない。
央商事へ連絡すると、会社側は警察へ相談したうえで正式な続きを取ると答えた。
その直だった。
らない番号から話がかかってきた。
ると、い男の声がした。
「森涼子さんでしょうか」
「はい」
「健さんにおを貸している者です」
私は背筋を伸ばした。
男は会社名を名乗ったが、聞いたことがなかった。
「ご主と連絡が取れなくて困っていましてね」
「元夫です。3に婚しています」
「でも借は結婚のものですよね?」
私は答えなかった。
法律、夫婦の方が個な遊興や投のために作った借まで、当然にもう方が負担するわけではない。そのことは藤原先から繰り返し説されていた。
「私には支払い義務がありません。今の連絡は代理を通してください」
「たいねえ。旦さん、奥さんなら払ってくれるって言ってたんですけどね」
私は息を止めた。
広告
おすすめ作品
-
完結第11話
「籍を抜いてから行け」と言われた嫁
「実家へ帰りたいなら、籍を抜いてから行きなさい」 母を亡くしてわずか1か月。初盆のため3日間だけ帰省したいと頼んだ里見に、姑は離婚を迫った。夫の浩司も妻を守らず、「少しは空気を読め」と目をそらす。 結婚して20年、家事と義父の会社の経理を無償で支えてきた里見は、静かに「分かりました」と答え、その日のうちに家を出た。 彼女が持ち出したのは、亡くなる直前の母から託された茶色い封筒だった。中には、吉沢家が暮らす家の土地が、実は母の名義であることを示す書類が入っていた。 さらに不動産会社を訪ねた里見は、母が入院していた間に、その土地を売ろうとした人物がいたことを知る。偽造された委任状には姑の筆跡。そして売却代金の入金先には、妻へ何も知らないふりをしていた夫・浩司の名前が記されていた――。嫁姑|絶縁1.6万字5 9 -
完結第11話
「昔みたいに頼むよ」と元夫は言った
離婚から6年後、48歳の真紀は、介護付き有料老人ホーム《こもれび館》で、元夫・隆弘と元姑・澄江に再会した。 かつて澄江の介護を押しつけられ、仕事まで辞めた真紀。しかし離婚後に資格を取り、今では施設運営責任者として、職員の勤務や入居契約、事故対応を統括していた。 それでも2人は、真紀を見て「まだ老人の世話をしているの」と笑い、昔のように澄江の介護を任せようとする。真紀は身内だった立場を理由に入居判定から外れ、公平な手続きを進めようとした。 ところが提出された入居相談票には、真紀が知らないうちに、緊急時の《主介護者》として現在の携帯番号まで記されていた。 誰が、離婚後に変えた番号を調べ、本人の同意なく介護者に指定したのか。調査を進めるうち、元夫がこの施設を選んだ本当の理由と、澄江にも知らされていなかった計画が明らかになっていく――。嫁姑|夫婦|介護1.6万字5 64 -
完結第12話
離婚したら140万円の請求が来た
結婚して7年。待ち望んだ妊娠が分かったさやかは、夫の勇気へ知らせるため、体調の悪さをこらえながら豪華な夕食を用意した。 ところが、義姉から「夫のお金を浪費している」と責められても、勇気は妻をかばおうとしなかった。それどころか、さやかが「自分のお金で買った」と反論しただけで、彼はあっさり告げる。 「そんなことを言い続けるなら、離婚しよう」 さやかは離婚を承諾し、初めて妊娠を伝えたうえで、その日のうちに実家へ戻った。すると3日後、これまで彼女が負担してきた義姉の息子の塾代、約140万円の請求書が勇気のもとへ届く。 慌てて支払いを求める夫に、さやかは静かに告げた。「もう私とは関係ありません」。しかし彼らはまだ知らなかった。さやかが3年前から、義姉への送金記録と、家族の会話を記録した音声を残していたことを――。兄弟姉妹|絶縁|金銭問題1.7万字5 507 -
完結第11話
40組の布団と消えた保険料
妊娠8か月の奈緒は、夫の実家が営む温泉旅館で、義母から40組の布団を敷くよう命じられた。 「嫁に産休はない」と健診へ行くことさえ許されず、母子手帳まで取り上げられた奈緒は、26組目の布団を持ち上げた直後に出血し、病院へ運ばれる。 幸い赤ちゃんは無事だったが、夫は義母をかばい、「家族経営だから産休は取れない」と告げた。不安を覚えた奈緒が翌日、給与明細と自分の加入記録を照合すると、毎月天引きされていたはずの社会保険料が、どこにも納められていないことが分かる。 さらに共同口座には、奈緒の給与の一部が毎月、旅館へ送り返されていた記録まで残されていた。 4年間、家族のためだと信じて働いてきた奈緒の給料は、いったい誰が、何のために動かしていたのか。存在しない保険料をきっかけに、義母だけでなく夫も隠していた旅館の金の流れが明らかになっていく――。嫁姑|裡の顔|修羅場1.6万字5 700 -
完結第14話
帰国したら、夫に双子がいた
1年間の海外赴任を終え、千里が帰国した日。空港で夫・修平の隣に立っていたのは、20年来の親友・春奈だった。 しかも春奈のお腹には、双子の命が宿っていた。 妻が海外で夫の会社を支えるために働いている間、夫と親友はいつの間にか深い関係になっていた。怒鳴ることも泣き崩れることもなく、千里は静かに指輪を外し、離婚の準備を始める。 だが、春奈の妊娠時期、家計口座から流れていた大金、そして義母が密かに残していた録音が、思いがけない真実へとつながっていく。 双子は本当に夫の子なのか。 親友が欲しかったのは愛だったのか、それとも高瀬家という安全な居場所だったのか。 裏切られた妻が、夫も親友も頼らず、自分の人生を取り戻していく静かな逆転劇。夫婦|第二の人生|修羅場|不倫2.2万字5 852 -
完結第11話
姑が剥がした私の名前
小さな菓子工房《灯菓》を営む私は、町内会の敬老会に出す96個のプリンを正式な注文として受けた。 しかし当日の朝、冷蔵庫の中からプリンがすべて消えていた。持ち出したのは義母・富美子。しかも彼女は私の店名と表示ラベルを剥がし、自分の名前を貼って「会長手作り」として配ろうとしていた。 保管温度も、消費期限も、誰が責任を持つのかも曖昧なまま、プリンは高齢者たちの前に並べられる。私は必死に止めようとするが、夫は「母さんを悪者にするな」と私の腕をつかんだ。 その夜、敬老会の参加者が体調不良で搬送される。 原因は本当に私のプリンだったのか。義母は何を隠し、夫はどこまで関わっていたのか。 一枚の貼り替えられたラベルをきっかけに、嫁の仕事を“暇つぶし”と笑ってきた家族の本音が、静かに暴かれていく――。嫁姑|親子関係|修羅場1.6万字5 840 -
完結第11話
夫の実家は空き家だった
結婚して半年。32歳の若菜は、穏やかで誠実な夫・裕介と、静かな新婚生活を送っていた。 裕介の両親は長く海外で暮らしており、日本へ戻ったばかりだと聞かされていた。正月、仕事になった夫の代わりにお年賀を届けようと、若菜は以前教えられた義実家を一人で訪ねる。 しかし、家は人が暮らしているとは思えないほど荒れていた。隣人へ尋ねると、返ってきたのは信じられない言葉だった。 「そこは5年前から空き家ですよ」 混乱した若菜が住所を尋ねても、裕介は決して教えようとせず、贈り物の蟹も自分で届けると言い張った。ところが数日後、見知らぬ男女が突然マンションを訪れ、若菜へ笑顔で告げる。 「この前は高級な蟹、ありがとうね」 5年前から誰も住んでいない「夫の実家」と、若菜の名前を知る謎の男女。裕介はなぜ家族の存在を隠し、他人の家を自分の実家だと偽ったのか――。嫁姑|親子関係|修羅場1.6万字5 614 -
完結第12話
夜逃げ社長に捨てられた4人
社長が突然姿を消し、3か月分の給料を受け取れないまま職場を失った38歳の看板職人・沢村光一。 一緒に取り残されたのは、営業担当の真希、経理担当の春奈、そして住む部屋まで失いかけていた23歳のデザイナー・凛だった。「どこか泊めてください」と頭を下げる凛を前に、光一はほかの2人も見渡し、「うちに来い。全員だ」と告げる。 築古の一軒家で始まった、1日500円の食費による4人の共同生活。再就職先さえ見つからない中、彼らはそれぞれの技術を持ち寄り、自宅の1階で小さな看板屋を始めることを決意する。 ところが開業準備中、春奈がインターネット上で奇妙な会社を発見した。そこには4人が以前制作した看板が実績として掲載され、代表者には消えた社長・黒田剛の名前が記されていた。 しかも、その会社が設立されたのは、黒田が夜逃げしたわずか4日後だった。給料も社員も捨てた男は、最初から自分だけ再出発する準備をしていたのか。すべてを失った4人の小さな挑戦が、黒田の隠していた計画と再び交差していく――。人生逆転|怒り|第二の人生|修羅場1.7万字5 108 -
完結第10話
ソファの下のピンクのスマホ
息子の家へ掃除を手伝いに行った58歳の幸子は、ソファの下から見覚えのないピンク色のスマートフォンを見つける。 画面に映っていたのは、息子の妻・優奈と、知らない男が寄り添う写真だった。 最初はただの不倫だと思った。けれど端末の中には、「愛しい人」という名前の相手とのやり取り、500万円の振込記録、そして息子夫婦の家を売る計画まで残されていた。 さらに、金の行き先には優奈の弟・翔太の名前があった。 息子の雄大は何も知らないはずだった。だが幸子が問いかけた時、彼は明らかに嘘をつく。 嫁の裏切り、弟への巨額送金、謎の男、そして息子が隠していた本当の理由。 ソファの下に隠されていた一台のスマホが、家族の平穏を少しずつ崩していく――。裡切られた|嫁姑|真実1.5万字5 838