"「子供3人は全員連れてけ」と言った夫へ" 第14話
客席にいる
私は予定表をき、演奏会のに入れた印を確かめた。依頼された説会は、その1から始まる。引き受けてからく切りげようとえば、きっと最まで席をてなくなる。
翌朝、先方に必な資料と判断の期限を聞いた。曜の会議ににわせたいので、休に担当者で集まるつもりだったという。
「曜の夕方にオンラインで説する形なら、私も席できます。確認事項は先に覧でいただけますか」
資料の集計は久保さんに相談し、引き受けられる範囲を確かめた。追加の費用と作業を決め、私が確認する数字と、先方へ説する箇所を分けた。会社の仕事を終えたに使えるもきしてみると、資料の仕がりを待たずにめられる準備があった。
先方から、曜なら関係者が揃うと返事が来た。必な確認に絞った資料と追加料にも承をもらい、私はカレンダーの演奏会の印を消さずに済んだ。
曜の説が終わったのは、夕の支度を始めるだった。パソコンを閉じると、希が仕事部の戸にっていた。
「曜、仕事になった?」
急ぎの話を聞いていたのだろう。私は子を娘の方へ向けた。
「今、説まで終わったよ。演奏会にはける」
希は頷いたが、すぐには部をれなかった。
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「途で帰らなくて丈夫?」
「最まで聴くよ。どのあたりに座れば、希が見える?」
娘は持っていたプログラムをき、台の並びを余に描いた。私が客席を指すと、そっちは先で顔が隠れると言って、し横へずらした。
当、私は演に民会館へ着いた。結はプログラムを両で持ち、優馬は隣で曲目を眺めている。指定されたあたりの席に座ると、台には譜面台と子が然と並んでいた。
私は携帯を消音にして鞄の底へ入れた。膝のにはプログラムだけを置いた。
希は黒いクラリネットを持っててきた。子に腰をろし、客席を見渡す。目がうと、結がきくをげかけたので、優馬が笑ってその肘に触れた。希の元もし緩んだ。
曲が始まると、娘の指がのキーのをいた。では同じ箇所を何度も練習していたが、ここではの旋律がつながり、別の楽器に受け渡されていく。私は希が息を継ぐところまで見ていた。
管の音が静まった、クラリネットの柔らかな音がなった。希が台所でずさんでいたのは、ここだったのかと分かった。聞こえていたはずの音を、私はようやく曲ので聴いていた。
最の曲が終わると、結が真っ先に拍をした。私もちがりたくなるのをこらえながら、台へ拍を送った。
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片づけを終えた希を、私たちはロビーで待った。楽器のケースを抱えててきた娘は、私の顔を見るなり聞いた。
「どうだった?」
「2曲目で、クラリネットが入ってくるところが好きだった。で練習してたところでしょう」
「分かった? あそこ、息が揃わなくて何回もやり直したんだよ」
希はケースの取っを握り直し、隣の子と目で図をした話や、本番に譜面を落としかけた話を続けた。結が別の曲について聞くと、歩きながらその旋律をさくってくれた。
会館をる頃、希が私の腕に軽く触れた。
「始まる、ちゃんと3いたからした」
「うん。いい席を教えてもらったからね」
私が答えると、娘はまたを向いた。夕に何をべようかと優馬に話しかける声は、演奏よりずっときかった。
仕事ものことも、これから毎回うまく調できるとは限らない。それでも今は、最の曲まで聴けた。帰宅してプログラムを棚へ置く、私は次の演奏会もめに教えてと希に言った。
翌、優馬は3になった。希望の用には、から目指していた国学の名があった。
私が保護者欄に記入していると、優馬が向かいの子に座った。
「そこに受かったら、をることになるけど、いい?」
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