みかん小説
本棚
みかん小説 / 嫁姑 / 退職したら、双子を任された
退職したら、双子を任された

退職したら、双子を任された

本棚のすみれ 完結 14

「お義母さん、来月から双子を毎日お願いします」 38年間勤めた図書館の退職祝いで、嫁は私の前に銀色の合鍵を置いた。 認可保育園はすでに辞退すると連絡したという。 平日の朝8時から夕方6時半まで、3歳の双子を週5日預かれ――それが家族の決定だった。 夫も「退職したら暇だろう。孫の世話なら張り合いになる」と笑った。 誰一人、私の予定を尋ねようとはしない。 「断るなんて、孫がかわいくないの?」 長男に責められた私は、黙って鞄を開けた。 そして鍵の隣へ、家族には知らせていなかった1年間の雇用契約書を置いた。 勤務先は、北海道の小さな町の図書館。 開始日は来月1日。 「私は来月、北海道へ行きます」 凍りついた家族の前で、嫁が契約書をつかんだ――。

今すぐ読む

おすすめ作品