"追い出された妊婦の家" 第12話
最終案では、共用の居のほかに、さな台所と洗面をそれぞれ設けた。内側の扉には鍵をつけず、玄関の鍵を誰が持つかは面で決めた。費用負担と将来の介護についても、設計契約とは別に族で話しってもらった。
完成、依頼主が私へ尋ねた。「族なのに、こんなに分ける必があるのかしら」
「族だからこそ、入っていい所と、本に聞かなければ入れない所が必なんです」
依頼主はしばらく考え、しい自分の台所へ湯みを置いた。息子の妻も隣で仕事の机を組みてていた。扉は閉まっていたが、夕のになれば同じ居へ集まるという。
そのの夕方、俊介が紬を送ってきた。約束の刻より分く着いた彼は、以持っていた鍵で入ろうとはせず、玄関の呼び鈴を押した。
扉をけると、紬が公園で拾ったどんぐりを両いっぱいに見せた。俊介は着替えの袋と、次回の面会予定をいたを私へ渡した。
「母さんのことは、しばらく俺が断る。紬が会いたいと言う齢になったら、またで相談したい」
私はうなずいた。久美子を永に罰するためではなく、紬がして会える条件を作るためなら、将来話しう余は残してもよいとった。
俊介が帰った、紬は赤ちゃんの頃から使っているベッドへ形を寝かせた。
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傷は修理してもく残っている。私は品へ買い替えず、由佳が払った修理費で全を確かめ、使い続けていた。
傷が残っているから、毎苦しむわけではない。消えない跡を見ながら、同じことを繰り返さない方法を選ぶこともできる。
夕、紬が玄関の棚にある予備の鍵を指した。「これは誰の?」
「お母さんの。もうつは、困ったに来てくれるばあばに預けてあるよ」
母へ鍵を渡すも、勝に入らず連絡すること、紛失したらすぐらせることを確認した。信頼しているから決め事がらないのではない。信頼をく保つために、言葉へするのだ。
私は紬を寝かせた、翌の図面をいた。そこには壁、扉、収納、族がき来する線が描かれている。はを閉じ込める箱でも、誰かの善を当然に使う所でもない。
守られる部があり、自分でけられる扉があり、へても戻るかどうかを選べる所であってほしい。
あの、俊介に「おがていけ」と言われ、私は本当にをた。だが追いされたままでは終わらなかった。誰を入れ、誰に鍵を渡し、どんな関係を族と呼ぶのかを、自分で決めるために戻ってきた。
玄関の鍵を確かめ、私は仕事部のかりを消した。のは静かで、隣の部から紬の寝息が聞こえる。
空いている部も、空いているも、私たちのものだった。
誰かが困っているからといって、黙って奪ってよい所ではない。
、助けを求められたら、私は話を聞くだろう。そして、できることとできないことを自分で決める。
それが、私が娘へ渡したい族の形だった。
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