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"離婚した直後、奪われていた80億円が戻った――元夫の結婚式で私が取り返したもの" 第4話

健吾にとってこの披宴は恋の完成ではなく、自分の位を世へ見せつける台なのだろう。

受付へ向かう客の列かられ、私はスタッフに法律事務所から事連絡が入っているはずだと告げた。若い従業員は瞬戸惑ったが、確認の話を入れたあと、すぐに表を改めて関係者用の通へ案内してくれた。そこには披宴で使う映像器や照を管理するコントロールルームがあり、配した技術担当の森川健太が待っていた。

瀬さん、公用の資料と、捜査関・主株主・監査法へ同送信する資料を分けてあります。スクリーンにすのは、すでに法確認が済んだ部分だけです」

健太は私にタブレットを見せながら説した。映像を流した瞬にすべての証拠が公される仕組みではなく、会には第者が見ても理解できる監査資料だけを表示し、同に完全版の証拠パッケージが関係先へ送信される。披宴を復讐劇のために乗っ取るのではなく、証拠が消されるに関係者へ同示するための所を選んだのだ。

「披宴の映像は8分ほどです。どのタイミングにしますか?」

「6分を過ぎてからにしてください」

健太が私を見る。

「理由を伺っても?」

「健吾は、自分がどれだけ誠実な男かを話すでしょう。

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まで言わせてあげたいんです」

自分でも驚くほど声は平らだった。っていないわけではない。ただ、この数で私のりはのようなものから刃物のようなものへ変わっていた。燃えがって自分まで傷つけるより、必なところだけを正確に切る方がいい。

打ちわせを終えてロビーへ戻ろうとした、エレベーターの扉がいた。最初に現れたのはカメラマンとメイク担当者、そのろから黒いタキシード姿の健吾と、純のドレスを着た優奈が歩いてきた。健吾が私に気づいて顔を張らせたのとほぼ同に、私は優奈の首元を見てを止めた。

母のネックレスだった。

粒のダイヤを細いプラチナの鎖でつないだ古い品で、母が祖母から譲られ、くなるに私へ残してくれた唯の装飾品だった。結婚したばかりの頃、美智子が「佐藤の正式な席で使うから度預かる」と言って持っていき、その庫に保管していると言われ続けていた。

優奈が先に笑顔を作った。

「あら、栞さん。本当にいらしたんですね」

カメラがくにあるためか、彼女は昔と同じ柔らかな声を選んだ。首元のダイヤへ触れながら、何もらないなら婦の余裕だとうような微笑みを浮かべている。健吾は私にづき、周囲に聞こえないほど声を落とした。

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「何しに来た。騒ぎを起こすなと言っただろ」

「私のものを取り返しに来たの」

私がネックレスへ線を向けると、優奈はさく笑った。

「これですか? 美智子お義母様から結婚祝いに頂いたものです。もし栞さんがそんなに気に入っていたなら、同じくらいのものをで買って差しげますよ」

くにいた数の客が気まずそうに線を逸らした。健吾は私の腕へを伸ばしかけたが、私が歩退くと、苛ちを隠さずい声をした。

「宝つで自尊が戻るわけじゃない。みっともないことはやめろ」

「あなたの言う通りね。宝つで私の自尊が戻ることはないわ」

私は優奈の首元をもう度見た。

「でも、あなたたちがのものをどう扱ってきたかを証するには、分かもしれない」

優奈の笑顔がわずかに止まった。

私はそれ以何も言わず、いメッセージを送った。母の遺産目録と、美智子が5に署名した「保管確認」を公資料へ追加してもらうためだった。

健吾は舌打ちし、優奈の腰へを回した。

こう。相にする必はない」

が披宴会へ入っていくと、し遅れて美智子が私を見つけた。彼女は瞬驚いたあと、すぐに昔の表へ戻り、私のまで来ると歯をいしばるように言った。

「恥をっているなら帰りなさい。

がどんなか分かっているでしょう」

「分かっています」

「なら警備員を呼ばれるに消えなさい」

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