みかん小説
本棚

"24年育てた息子の結婚式に、私の席はなかった" 第6話

私を病気にするための

彦が差ししたのは、へ送ったというのコピーだった。

『妻は以から精神定なところがあり、式の直になって、自分の判断で席を取りやめました。息子夫婦には非がありません。父親としてお詫びし、50万円をお送りいたします』

私はその文章を読み、夫の署名まで目を通した。朝になって体調を崩したというだけではなかった。私が勝に欠席を決め、族がその始末をしたことになっていた。

「誰が、自分の判断で取りやめたの?」

「そういう説にしなけりゃ、向こうだって納得しないだろ」

夫は振込の控えをの横へ置き、さらに果物の領収した。3万円の贈答用の籠を注文し、式の翌緒に先方へ届けたという。

「果物の代は俺の遣いからした。おばかりが負担してるように言うなよ」

私は領収からした。果物の3万円と、計からた50万円は別の支だった。夫は自分が払った分を示せば、相談なしにかしたおも、いた嘘も、帳消しにできるとっているらしかった。

「この説は、優斗もっているの?」

「細かい文章まで、いちいち見せてない。あいつは彩乃さんとの活が始まったばかりなんだ」

「私のことなら、確かめずにいていいのね」

彦は子を引き、私の正面に座った。

広告

説得するの声になった。

「向こうの親は、体調が悪いなら仕方ないと受け止めてくれてる。お言、迷惑をかけましたと言えば、それで収まるんだよ」

病気を理由にしたことだけが問題なのではない。私の希望を確認せずに席を取りやめたことにし、その嘘の裏づけを、当の私にさせようとしていた。

「謝りません。私が欠席を決めたという説も、認めません」

「またそれか。息子の結婚を壊したいのか」

「優斗に来ないでと言われた私が、どうして謝るの?」

彦は答えず、婚届のへペンを転がした。私はそれを拾わず、と振込の控えを携帯で撮した。

「何をしてる」

「あなたが誰に、何を説したのか、残しているの」

げさなんだよ。だから扱いに困るんだ」

私は撮った文字が読めることを確かめ、携帯を元へ戻した。夫の言葉にすぐ反論していると、50万円の話もの話も、いつのにか私の性格の話へ変わってしまう。今夜はそこへ戻る気になれなかった。

婚については、私も考えます。ただし、ここへ名いてていくだけでは済ませません」

彦がペンをつまみ直した。

「何を求する気だ」

「まず、おのことを確認します。それから、事実と違う説を取り消してもらいます」

夫は類を集めようとしたが、婚届だけは私のへ残した。

広告

「好きにしろ。あとで泣きついてきてもらないぞ」

私はそのを折らずに保管した。自分から切りした話を、あとになって私のいつきにされないためだった。

夫が寝くと、息子から《荷物、届いた》と連絡が来ていた。指定された夜に4箱とも届いたらしい。私は受け取りを確認したとだけ返し、学費の控えが入った類箱を机へ置いた。

育てたを、返してほしいとはわなかった。あのに支払った授業料を借に変え、息子に請求するつもりもない。けれど、これからも同じ役目を引き受けるかどうかは、私が選んでいいはずだった。

翌朝、くの法律事務所へ話をかけ、空いていた午の相談枠を予約した。持参する資料を尋ねる途、受付のに、相談は夫婦の婚についてですねと確認された。

私は机のにある、養子縁組の控えを見た。そこに署名した29歳の自分の字は、今よりし丸かった。

「それだけではありません。息子との養子縁組も、解消したいんです」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: