みかん小説
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"24年育てた息子の結婚式に、私の席はなかった" 第16話

そのネギを、切って

約束の刻に呼び鈴が鳴った。扉をけると、優斗は軽くげ、私がどうぞと言うまで玄関ので待っていた。

「お邪魔します」

靴をそろえてがった息子は、さな卓と、窓辺に置いた私の仕事のノートを見た。自分のために空けられた部も、実に残しておいた荷物も、ここにはない。

私は台所へ戻り、噌汁に入れる豆腐を切った。優斗は子の横にったまま、何か伝えることはあるかと尋ねた。

「そのネギを、切って」

洗っておいたネギを指すと、息子は袖をまくった。を洗い、私が置いたまな板のつ。

「このくらいのさでいい?」

「ええ。それで丈夫」

包丁がまな板に当たる音を聞きながら、私は魚の焼け具を確かめた。優斗は切ったネギを皿へ移し、包丁を洗ってから、使った台を拭いた。

向かいって座ると、息子は両を膝に置いた。

「24、育ててくれてありがとう。誰に育ててもらったか分かっていたのに、結婚式では、自分が説しやすいほうを選んだ。本当にごめんなさい」

私は聞き終えるまで、箸を取らなかった。優斗も、続けて別の頼みを持ちすことはなかった。

「聞きました。今は、ご飯をべましょう」

噌汁には、さの違うネギが浮かんでいた。優斗はんでから、しだけ肩の力を抜いた。

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私は最の仕事の話をし、息子は相づちを打った。私の予定について、続きを聞こうとする顔を見るのは久しぶりだった。

事が終わりかけた頃、優斗が箸を置いた。

「母さんって、呼んでもいい?」

私はすぐには答えず、息子の顔を見た。呼び方を戻せば、その先も昔どおりになるとっているのか、確かめたかった。

「そう呼んでも、これまで決めたことを元に戻すつもりはないのよ」

「分かってる。自分の活は、自分で続ける。今は、呼んでもいいかだけ聞きたかった」

私はさくうなずいた。

「ええ」

優斗は目を伏せ、ありがとうと言った。私はべ終えた皿をね、息子はがって流しへ運んだ。どこへしまうか分からない器は、拭いて台のへ置いた。

壁の計を見て、優斗が鞄を持った。

「午かけるんだったよね。そろそろ帰るよ」

私は玄関まで送り、今は来てくれてありがとうと伝えた。息子はもう1度げ、自分の暮らす部へ帰っていった。

扉を閉めると、部には私の使うものだけが残った。泊まる支度をする必も、翌朝の事を考える必もなかった。

私は青いカップを棚へ戻し、返却する本をバッグへ入れた。帳にいた午の予定を確かめ、図館へかけた。

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